A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

風貌に似合わず、繊細な演奏が・・・・

2016-12-15 | CHRISTMAS
Christmas Flower Tree / Cross Counter

訃報といえば、バリトンサックスの重鎮、宮本大路さんも今年亡くなった。
自分はビッグバンド好きなので、大路さんの演奏は、熱帯JAZZ楽団や、923ビッグバンド、ブルーノートオールスターズ、などで聴くことが多かった。病から復帰し、今年も元気な演奏振りを楽しませてもらっていたのだが・・・。
その風貌からか、日頃よく職務質問を受けることが多いらしく、『「職質楽師」夢追い日記』と、それを捩ったタイトルの本も出されたばかりであった。



ビッグバンドでの活躍とは別に、コンボでの活動も積極的に行っていた。その中で定期的に活動していたのがこのクロスカウンター、ピアノレスのカルテットだ。
バリトンがリーダーとなるとジェリーマリガンのピアノレスカルテットを思い浮かべるが、マリガンがパートナーとして選んだチェットベイカー、アートファーマー、ボブブルックマイヤーとは異なり、ここではアルトサックスが相方のサックス2本の編成。

演奏スタイルはというと、マリガンのカルテットのコンセプトに近い。ボクシングのクロスカウンターという感じの2人のバトルというよりは、アレンジといい、ソロの掛け合いといい2人のコラボレーションが素晴らしい。まさに、マリガン&デスモンドの共演の再現といった感じだ。

このアルバムは、今のシーズンに相応しいクリスマスアルバムだが、このスタイル、そして時にクラリネットを交えたサウンドが良く似合う。大路さんの演奏は、その風貌の印象から受けるイメージとは異なり、このような繊細な演奏も得意にしている。923ビッグバンドでも、フィーチャー曲はマリガンの綺麗なメロディーの曲だった。バリトンでは希少なメロディアスなプレーを得意としていた一人だった。

バリトンサックスはそもそも人材が少ないのに、大路さんの白いバリトンがもう聴けなくなったのは残念至極。
ご冥福をお祈りします。

1.  Santa Claus Is Comin' to Town        ( J. Fred Coots )
2.  There Is No Greater Love          ( Isham Jones )
3.  When Joanna Loved Me           ( Jack Segal )
4.  White Christmas              ( Irving Berlin )
5.  What Now My Love 〜そして今は〜     ( Gilbert Becaud )
6.  Everything Happens to Me         ( Matt Denis )
7.  Jingle Jam                ( Dairo Miyamoto-original )
8.  Glad to Be Unhappy            ( Richard Rodgers )
9.  Ano-Colo 〜あの頃〜           ( Dairo Miyamoto-original )
10.  Greensleeves              ( Traditional )
11.  All The Things You Are          ( Jerome Kern )
12.  The Christmas Song           ( Mel Torme )

宮本大路 / Dairo Miyamoto (bs,arr)
宮野祐司 / Yushi Miyano (as)
佐々木悌二 / Teiji Sasaki (b)
高橋徹 / Toru Takahashi (ds)

Produced By 鈴木燿 Suzuki Akira 赤坂B♭
Recorded on January 8 & 9, 2008

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