A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

日本人の「よく謳う」ピアノといえばこの人が一番・・・・

2014-01-31 | MY FAVORITE ALBUM
Always / Hideaki Yoshioka

コンコルド時代のモンティー・アレキサンダーは、ノリのよい良くスイングするピアノを売りとしていた。ピーターソン似とは言われても、ジャズのピアノの伝統をしっかりと引き継いだプレーヤーであることは間違いない。映画「バード」でもオリジナルのパーカーのバックを務めたのはモンティー・アレキサンダーであった
モダンジャズピアノの祖といえばバドパウエルだが、そういえば最近聴いていない。マニアックな世界に入っていくと、いわゆる名盤に接する時間がどうしても減ってしまう。
今度ゆっくり聴くことにしよう。昔聴き慣れたアルバムにもきっと新たな発見があるだろう。

パウエルを師とするピアニストはたくさんいるが、日本人だとまずは穐吉敏子、そして自分としては忘れられないのが吉岡秀晃。もちろん今でも活躍しているが、自分が知ったのは今から20年以上前。まだ吉岡氏も駆け出しの頃だった。

学校、そして会社の先輩でもある知人に連れられて、先輩の友人のホームパーティーに招かれた。横浜の山手にある大きな家だったが、そこのリビングにかなり多くの人が集まってのホームジャズライブであった。
仲間内では恒例の集まりで毎年のように行われていたが、ミュージシャンの音頭取りはベースの金井英人さん。毎回若手を連れてきてそのホームライブハウスで演奏が行われた。
その時のメンバーで印象に残っているのが、ピアノが吉岡秀晃、そしてギターの宮之上貴明の2人であった。
まだ若い2人であったが、当時からまさにウェス・モンゴメリーとウィントン・ケリーのコンビを思い起こさせるようなエネルギッシュな、そしてよくスイングする演奏に、ただ感激するばかりであった。

そのジャズ好きの先輩とはホームパーティー以外にもよく昼休みに抜け出して会社の近くのジャズ喫茶に行ったものだ。じっくり聴く時は老舗の「響」であったが、おしゃべりの時は気さくなママが一人で切り盛りしていた「SMILE」であった。新宿に移って営業をしていたが、先日その前を通ったらビルには看板が残っていた。まさかと思って中に入ったが店は見当たらなかった。とも枝さんというママだったが元気にしているだろうか。
というのも、その先輩もスポーツマンで体は丈夫だったが、昨年まだこれからという時に亡くなってしまった。久々にお会いした時、「またライブに行こう」と言葉を交わしたのが数年前、もうご一緒できないと思うと心に引っかかるものがある。無理をしてでも予定すればよかったと。

訃報に接した時、思わずこのアルバムを取り出し、昔を思い出しながら冥福を祈った。小難しいジャズよりもひたすらスイングするジャズが好きだったその先輩も好きなピアノであった。自分が中学一年の時からの良き先輩であり、上司であり、そして仲間であったのだが。

さて、このアルバムだが吉岡秀晃の確か2枚目のアルバム。パウエルの伝統を受け継ぐピアノはますます冴えわたるが、もう一つこのアルバムで気に入っているのが日野元彦のドラム。若い頃のひたすら「ぶっ叩く」感じのドラムを好きにはなれなかったが、ここでの演奏は実にスマート。ブラッシングがメインだが、シンバルワークに移っても粒立ちの良いドラミングを聴かせてくれる。先日、ジェームスウィリアムスのアルバムを聴き直した時、アードブレイキーのドラムがミスマッチだなと思ったのだが、このアルバムでは3人のコンビネーションは最高だ。モンティー・アレキサンダーのトリオとはまた違った形で。ピアノトリオでは特に3人の呼吸が合うとより素晴らしいコラボが生まれるものだ。

このアルバムが出てからすでに20年以上経っている。最近ライブには良くいくのだが、吉岡さんのピアノを聴きに行けずじまい。スタイルは変わっていないとは思うが、今度折を見て今のプレーぶりを聴きに行ってみたいと思う。
そのうちにと思っていると、いつの間にか10年経ってしまう月日の流れの速さに最近戸惑っている。

1. Aha、Bud
2. Doing
3. Quiet Message
4. A Man Come Back
5. Casuary
6. Passionate
7, Strange Dance
8, Always

吉岡 秀晃 (P)
坂井 紅介 (B)
日野 元彦 (Ds)

Produced by Tetsu Kobayashi
Engineer : Yasuo Morimoto
Recorded on June 22 & 23 1992 at Onkyo Haus, 1st, Tokyo


ALWAYS
吉岡 秀晃
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