青川の里 ~付知川 鮎釣り日誌~
青川(付知川つけちかわ)の里、岐阜県中津川市田瀬地区から鮎釣りや川のこと、地元情報などを。オフにはワカサギ、アマゴ情報も
 



郡上長良川のあゆきちさんのブログ「長良川のアユ日記」に河川救助訓練の記事が載っていました。
長良川のアユ日記

昨年長良では何名もの釣り人が、不幸な事故に遭われて亡くなられております。
私も長良へ釣行した際、川岸に手向けられた花束を見て、ここで亡くなられたのかと思い、川に目をやるとそれほど危ないとも思われないような流れでしたので、どうしてこんな所でという思いでした。
しかし、自然は一旦牙をむくと人の想像を遙かに超えてしまいますから、一瞬の油断が事故に繋がってしまうのでしょう。
私の釣友のY君も一昨年、酒匂川が急に増水して何人もの釣り人が遭難した日に釣行しており、九死に一生を得る体験をされました。
その緊迫した状況をメールにて報告してくれていましたので、今回本人の承諾のもとここにご紹介したいと思います。

「・・・前文略
さて、報道でもご存知のことと思いますが、酒匂川での事故では、私も危機一髪でした。
私は当日は朝から酒匂川へ出かけていました。雨は釣り場では降っていなくて、上流で時折雷が聞こえる程度の天候でした。
上流での雷や、雨雲の広がりは普通でも良くあることで、さほど気にしていませんでした。
釣り人はお盆休みで、普段の平日よりも多く感じました。
私は、中州へ渡り本流側を釣っていました。その場所は本流と分流に囲まれた場所で、普段の分流はひざ下の水深です。分流が渡渉ルートになっています。
また、本流も腰程度で容易に渡ることが出来ます。
私を含めて、7人が中州にいました。

11時頃から、ごみが多く流れてきて釣りつらくなってきましたが、水位に変化は無く、隣で釣っていた人と「ごみが多いね」と会話する余裕もあったくらいです。
私は隣の釣り人の上流で釣っていましたが、なぜがその釣り人の下流ポイントが良く見えて、30m程度下がりました。隣と上下流を入れ替わったわけです。
今から考えると、下流側ポイントへ移動したことが中州を脱出する最短位置にいたことになります。

11時半頃、上流の釣り人(隣の釣り人)から「水位が上がってきたね。曳き舟を岸側へ上げなきゃね」と話しかけられたときに、私も水位が上昇したことを察知しました。
ふと、上流を眺めると、濁流がこちらへ向かっているのが分かりました。まだその時点では危機感はありませんでしたが、分流はまだ水位が上昇していないことに気づき、とりあえず分流を渡り岸に上がろうかと考えた次第です。これが脱出タイミングの最終時点だったのです。

仕掛けはそのままにして、曳き舟を腰につけて竿を担ぎ、分流を渡ろうとしたところ、もうその時点で腰まで水深がありました。普段はひざ下です。危機感を感じたのはこの時点です。
岸へあがるには、護岸張りブロックをよじ登る必要があり、護岸ブロックは1割勾配、平坦で継ぎ目に指を掛けてようやく上れる構造です。そのため近所の人がトラロープを護岸法面に這わせて、そこが昇降場所になっています。しかしそのトラロープ地点までは、まだ20mはあります。
私は20mを移動する間にも、水位が上昇する危険を感じて、足ががりの無い、護岸ブロックをよじ上る判断をして、竿を護岸天端へ放り投げ、両手をフリーにしました。
ブロックの継ぎ目から草が伸びているのに気づき、それを掴みましたが、曳き舟の流水抵抗もあり一回目は抜けてしまい振り出しです。もう一度根元を掴み直して体を水面から抜き出すことに成功しましたが、護岸天端まではまだ2m程度の高低差があります。つま先と指先で護岸継ぎ目に掛けて、一歩づつ慎重によじ上り、ようやく天端へあがることができました。
後ろを振り向くと、6人はもう中州に取り残されていました。その中の一人が私と同じルートを渡ろうとしましたが、途中で流されそうになり、断念してました。
その時点で、漁協の監視員が駆けつけて「危険だから渡るな」と叫んだくらいです。
消防署のサイレンとヘリコプターの音があちこちで聞こえ、ただ事ではないことを感じました。

そのころにもう上流では人(66歳)が流されていたようです。(昨日水死体で発見)。12時頃には私の中州地点の下流でもう一人流されて救助されるも心肺停止状態で病院で死亡確認(70歳)。
中州に取り残された人数23人。大惨事になってしましました。
私のいた中州は、報道による取り残された位置によれば、「大井町で6人」に該当し、あわや「大井町で7人」になるところでした。
あと、1分退避が遅れていたら、確実に取り残されていたでしょう。

さて、その日の釣果は皮肉にも好調で、7時から11時までに19尾(時速5尾)でした。魚も出水前のあら食いだったのでしょうか。
貴君も、神通川などの大河川で釣りをする機会がありますので、十分注意して釣りをしてください。」

まさに危機一髪という状況がひしひしと伝わってくる報告でした。
釣りに夢中になっていると回りの状況が目に入らなくなるものです。
もしそんな状況に追い込まれたときは、ほんとに一瞬の判断が生死を分けるのだと思います。
これから本格的に鮎釣りシーズンに突入します。
無事故で楽しく釣りができるようお互い気をつけましょう。

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