バイト時代も新婚の頃も、ビール(大瓶1本100円)にトリスウィスキー(720ml 360円)を混ぜて呑んでいた。呑みたいのはビールの方だけど、それでは酔えないから2級洋酒をブレンドしていたわけで、つまりは、酒を呑んだら酔わなければ損だという思いからだった。 いまや、ノンアルコールビールの時代である。この前、胆石の病気をしたときに1本買って来てもらったが、まさに、病人用の味だった。 3月9日、有楽町のニュートーキョーの弊店がった。開業77年の歴史だそうだ。高校時代、慶早野球戦の帰りのそこのビアホールで呑んだのが、私の「ビールはじめ」だった。18歳のガキにはビールの味はわからないと言われるが、神宮球場で大声で唄ったあとだから、喉が渇いていて、旨かった。ジョッキ2,3杯は呑むと嘔吐する同級生もいたが、私はその頃からアルコールに対する抵抗力があった。ニュートーキョーに行くもう1つの目的は、ジョッキを盗むことだった。誰が考えたのか、1つの方法があって、昼間ちょっと雨が降った夕方にレインコートを腕にかけて行き、その袖の中にジョッキを隠すやり方だった。この窃盗は誰がやっても成功したので、やがて、オトナびた一人が、「店の側は泥棒を知っていて、わざと見逃してくれている。このガキどもも、やがては自分の金で呑むような年齢になる。そのとき呑みに来てくれれば、それいいと思っているんだよ」と言い、みんなが静かにうなずいた。
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