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安い

2017-08-31 22:47:48 | 日記
朝の5時半に東の窓が明るくなる。本が読めるだけの陽光が入って来る。娘に借りた山口瞳男性シリーズを読む。それが私の、夏の朝である。その習慣の中でふと思い出したのが、山口瞳著の『血涙十番勝負』である。それは山口氏が10人のプロ棋士と対戦する読み物である。将棋の棋譜よりも対局前後の話がおもしろい。話は昭和40年代であって、山口氏は40歳を過ぎたあたりであり、対戦する棋士たちも若い。単に面白いだけではない。2人目の相手だった山田道美八段が(あまり聞いたことのない病で)急死するという事件も起こる。

その本を再読したくなって、娘に頼んだ。娘はすぐに(ネットで、というのだろうか)アマゾンに注文した。幸いにしてアマゾンには在庫があって、本は2日後に届いた。その速さにも驚くが、もっとびっくりしたのが値段である。昭和43年刷とあるが、ほぼ新品である。50年近くも前のものだから新品同様というのが正しいのだろうか。その本の価格が1円だそうだ。ウソではない。1円である。送料は257円。昭和43年における定価は520円とある。どううやって、この本を1円で売ることができるのか。送料だけで営業画成り立つのか。メシが食えるのか。私にはわからない。わからないけれど、ありがたい。ありがたい世の中になったものだと感心するしかない。感謝するしかない。

スコッチウィスキーのジョニ黒が2千円で、バランタインが千円で手に入ることは何度か書いたが、この値段の安さについてもわからない。関税がどうであるとか、大量生産ができるようになったのかどうか、といったことが全くわからない。それにしても、新品の本が1冊1円というのは、何か夢を見ているような気分になる。

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