Winding Road

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第88回全国高校サッカー決勝 山梨学院×青森山田

2010-01-12 | フットボール全般

山梨が狙い通りの形に持ち込んで芸術的なウノゼロを達成した。

序盤に主導権を握ったのは山梨。自分達のサッカーを思い切りやろうとする積極性が感じられた。様子見なのか、イマイチ出足の鈍い青森山田を押し込む。先制点は碓井。またもや凄い一撃を決めた。これで落ち着いた山梨は無理せず守備ブロックを構築してボランチとDFで挟み込んでボールを奪いに行き、隙あらば足の速いFWを生かして速攻を仕掛ける。

一方の青森山田。スペースを消され攻め手を失う。キーマンの椎名・柴崎は徹底マークを受けて仕事をさせてもらえない。この二人のどちらもなかなか前にいけず攻撃に厚みを持たせられない。そうこうしているうちに前半終了。

後半は1点を追う青森山田が攻勢に出てチャンスを作る。しかし山梨の集中力は途切れず守備陣に綻びが出ない。シュートに対しては必ず足が出てブロックした。それでも青森山田の圧力がジワジワと山梨に迫る勢いを見せてきた。

ここで山梨が加部を投入。すると前にタメが出来て青森山田に対してもう一度カウンターというジャブを打つ布石を作った。実際前への推進力とポストプレーが生きていた。これによりやや苦しくなってきたように感じられた山梨が再び落ち着きを取り戻した。

こうなると後は試合をクローズさせるだけ。終盤は青森山田がパワープレーに転じたがセカンドの支配率では山梨が上回りチャンスを拡大させなかった。4分のロスタイムも凌ぎきって初出場初優勝の快挙を成し遂げた。1対0で山梨学院が勝つに相応しい内容でそのミッションを達成した。

試合後、喜びを爆発させる山梨学院の傍らで最も崩れ落ちていたのは7番のキャプテン椎名だった。応援団席に挨拶に来る時にメダルは外して腕に握りしめ(これについては問題あるんでしょうか、犬飼さん・・)、一礼が終わるとそのまま上を向けなかった。その姿が強く強く印象に残った。きっと来年は彼の意志を受け継いだ柴崎が3年生でまた選手権に帰ってくるだろう。そうやって歴史が作られていく。クラブユース主流でプリンスリーグと高円宮杯が最強を決める舞台の中心である事は確か。でもやっぱり冬の選手権は良いなと最後に思った決勝だった。


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