Takepuのブログ

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孔慶東にも薄熙来禍

2012-03-20 10:11:35 | 時事
孔子の直系子孫という孔慶東・北京大学教授が「香港人は犬」などと言いたい放題のネットテレビ番組「孔和尚有話説」にも、重慶市長を解任された薄熙来事件が波及、一部の番組が配信停止されたという。孔教授は薄解任の15日、番組内で薄熙来と「唱紅打黒」を擁護するような発言をしていた。

劉暁波氏のノーベル平和賞受賞に抗議する形で中国の“民間”レベルの知識人が中心となってつくった「孔子平和賞」が1年目連戦・国民党名誉主席、2年目プーチン露首相を選出、本人が授賞式に出席せず失笑を買ったが、その首謀者と目される孔慶東教授は、中国の左翼言論を担う一人だが、薄解任事件以降、数々の左翼言論サイトが封鎖されるなど、保守言論への風当たりが強くなっているようだ。

20日の香港紙「明報」によると、「孔和尚有話説」を放送する第一視頻網(第一チャンネルネット)は19日、孔教授が番組内で薄解任を「反革命政変」と呼び、「権利保護」を求め「暗黒」に抵抗しよう視聴者に立ち上がるよう呼びかけた部分を、「設備更新のため一部番組の配信を停止する」として削除したという。

写真は今見られる「孔和尚有話説」のページ

視聴者の意見を書き込む欄も空欄になっていて、削除への意見が殺到しているのか、第一視頻網側が掲載を見送っているようだ。

明報が孔教授に電話連絡を試みたが、誰も出なかったという。第一視頻網は「最近、各地のネットユーザーから番組を見られないとの意見があり、多くのネットユーザーの要求にこたえる形で配信技術と設備を更新し、この期間に一部の番組をしばらく配信停止にした。配信時間については追って通知する」との通告を出したという。

この番組は月曜から金曜の午後12時半から1時間放送されていて、過去には香港を訪れた大陸の子連れ旅行者が、香港の規則に反して地下鉄内で飲食していたのを香港人に注意され、大喧嘩となったシーンを映した動画サイトの画像を見て、「香港人は英植民地根性を引きずる西洋の犬だ」などと発言し問題となっていた。

明報によると、15日の番組では、薄解任で、ほかの誰かが「唱紅打黒」を提唱しにくくなってしまい、「これは億万中国人民の心を傷つけるのではないか」と話した。また、15日が国際消費者権益デーだったことから、「重慶の唱紅打黒は最大の意義のある偽モノ打倒であり、偽共産党や偽政府官僚、偽公僕を打倒するものだ。最近、暴力団摘発や偽モノ打倒の英雄が不当な扱いを受けている。これは公開で反革命政変を発動しているのではないのか」と発言していたという。

言論の自由とか意味はわかるが、政治的にダメを出された人間をあからさまに支持するのは、やはり中国ではKYではないか。孔教授は、海外では笑いを誘うが、中国では支持する人間も少なくない影響力のある言論人なのだから。