Takepuのブログ

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賀国強意味深なあいさつ

2012-03-04 17:23:52 | 時事
あす5日開幕する全人代で動向が注目されている重慶市トップの薄熙来。一部メディアが薄の「政敵」と紹介した賀国強・中央規律検査委員会書記=中央政治局常務委員(序列8位)=が3日、重慶市代表が宿泊するホテルを訪ねたという。

賀国強は99年から2002年まで重慶市委の書記を務めており、「昔からの友人もいるし、懐かしい」と、自らが重慶で仕事をしていたことを強調した。その当時の腹心たちを、薄の手下の王立軍が次から次へと汚職の疑いで摘発していったとして、賀が腹を立てて王立軍の不祥事をほじくりだし、結果として王は身の危険を感じて米総領事館に駆け込んで保護を求め、結果として薄熙来の中国共産党トップ9(中央政治局常務委員会)入りが危うくなったという筋書きだ。

重慶市代表ら関係者を前に賀は「今、重慶の気候と北京の気候はとても差異があり、今年の北京の寒い時間は比較的長く、今はまさに季節が移り変わる時期だ。特に長期に乾燥し、雨がなく雪も少ない。朝晩の温度の差が大きく、皆さんは暖かくして寒さに注意して、体の健康維持に注意してください」と話したという。

たくさん全人代や政協の代表が全国各地から来る中で、わざわざ重慶市の代表を訪ねることもあるまい。なんらかの意図があると思っても不思議ではない。

この言葉。「重慶と北京は気候が違う」。「今はまさに季節が移り変わる時期だ」。いうまでもなく、なんて意味深な表現だ。香港や台湾のメディアもこれに注目してそれなりの扱いで報じているように、その裏には政治的な意味がある発言だと分析している結果だろう。ということは薄熙来の運命は風前の灯ということか。

4日付の重慶日報の1面の下のほうに大きくこの賀国強の重慶代表訪問が載せられており、重慶の市長、前の市長につづいて、最後に薄熙来の対応が載せられている。全体的には賀をヨイショしまくりの発言内容だ。

もちろん、こういう場面では普通でもKYでは困るわけで、目いっぱい気を使って「国強同志はわれわれの“老書記”だ」と持ち上げている。もちろん中国語では「老人、じじい」という意味ではなく「先輩書記」の意味だ。「吃水不忘搾井人」(水を飲むときには井戸を掘った人を忘れるな)ともいっている。「先輩」の手下を片っ端から失脚させて、「井戸を掘った人を忘れるな」とは、賀も片腹痛かったかに違いない。

いずれにしても、これで勝負はついた。賀は「もう勝負はついたんだよ。いい気になるなよ」と薄にダメを押し、重慶の人々に「もうすぐ風向きは変わるから、こいつ(薄)についていてもしょうがないぞ」と伝えようとしたのだろう。