Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

言論の自由とチベット語人民日報

2009-08-02 11:23:35 | 中国旅行
 中国共産党のニューリーダーの一人、広東省トップの汪洋・共産党省委書記は30日、「中国には言論の自由がある」と発言した。胡錦濤国家主席兼総書記の一派に連なる共産主義青年団出身で、叔父に汪道涵・元上海市長をもつ、「太子(プリンス)党」と呼ばれる2世グループ。中央政治局委員である汪書記の「言論の自由」観が垣間見られて興味深い。
 31日付の広州日報によると、30日、広州市内で行われた外国記者との会見で、ドイツ誌記者が「中国で腐敗が起きる原因は、中国政治に言論の自由が乏しいからではないか」と質問したのに対し汪書記は「中国の憲法に、中国公民は言論の自由を有すと明確に規定されており、従来、言論の自由がないというわけではない。今日、われわれは十分に平等であり、率直にここで交流できており、これはすなわち言論の自由の表現だ。記者のみなさんが言論の自由のある国家というのは、政府の内閣が頻繁に代わり、議会がバタバタする国だろう。もしこのような“言論の自由”が13億の人口を抱える中国で発生したら、耐えられないことになる。文化大革命期間中、“大鳴、大放、大字報、大弁論”の言論の自由を許した結果、多くの人々の基本的人権が尊重されず、国民経済が崩壊しかねない状況になった。それぞれの国家には言論の自由についてそれぞれ異なった標準があり、われわれは自分たちの標準を他人に押し付ける気はなく、またあなた方も我々にその標準を押し付けてほしくない」。長いがこのような発言だったらしい。
 汪書記のように、中国人が言論の自由というと、何でも好き勝手に話す事だと思っているらしい。我々の感覚で言論の自由とは、意見を発する権利を守ること、またその言論で人を傷つけることのないよう発言の内容を吟味する機関があること、政府にコントロールされない独立した報道機関を持つなどを含むと思うが。

言論の自由と、中国の宣伝工作に関連して8月1日に人民日報がチベット語版を出した。全4ページで毎日発行、チベットほか四川省、青海省などで無料配布するらしい。だいたい、共産党バリバリの指導が書かれた新聞を、仮にもチベット語で書かれていたからと言ってチベット人が読むだろうか。中国人(漢民族)の発想の貧困さを今更ながら実感する。とりあえず、そういうものを出しておけば、俺達的にはノルマ達成という程度の考えなのだろう。民族問題を根本的に解決させようなどとは考えていないのだろう。チベット語なので、何が書いてあるかさっぱりわからないが、1面腹のカラー写真を見ると、兵隊が五星紅旗(中国国旗)を振っており、寒気さえ覚える。