Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

ウイグル族射殺増

2009-07-19 12:53:19 | Weblog
 新疆ウイグル自治区で5日発生した騒乱で、警官が12人を射殺したと中国当局が認めた。その人数の根拠や、なぜこの時期に公表したのかなどは不明だが、今後増えていく可能性もある。

 香港紙・明報によると、新疆ウイグル自治区のヌル・ベクリ主席(省長に相当)は、5日のウルムチ市の暴動で警察が警告を聞き入れない12人の「暴徒」を射殺したことを明らかにした。中国当局が今回の暴動で警察側が射殺した人数を明らかにしたのは初めて。18日までの騒乱での死者は197人になった。
 ロイターやシンガポール華字紙「聨合早報」などの取材に対し、ヌル主席は「いかなる法治国家でも、市民の利益を守り暴力犯罪を阻止するために武力行使は必須だ」と語り、12人を直接、あるいは間接的に撃ち、3人はその場で死亡、9人は病院で死亡したことを明らかにした。
 まず空砲で威嚇したが聞き入れず、武装し破壊略奪をしたので撃ったとしている。7月5日の際は多くの市民がレンガや棍棒、鈍器で頭を殴られて死亡しており、警察は最大限に自制して行動していたと弁護した。
 また13日の警官が3人のウイグル族を射殺した(と書いてあるので、病院に運ばれた1人も死亡した模様)事件の経緯について、当時3人は麻袋に武器を入れてモスクを訪れ、信徒たちに「聖戦(ジハード)」を促したがモスク側が拒否したため信徒を襲い、警備人員と衝突し最終的に射殺されたと解説した。
 これとは別に、デモの原因だとウイグル族亡命組織「世界ウイグル会議」が主張する広東省でのウイグル族と漢族の衝突事件について、単なる個別の事案に過ぎないとして、ウルムチの余剰労働力を東部沿海地域に出稼ぎに出す政策は引き続き行うと言い切った。

 この背景には、上海や広州など経済発展が進む沿海地域と経済的に遅れた内陸部の格差を解消するため中国当局が実施している「西部大開発」政策がある。ウルムチにも政府が多額の資金を投入し、その資金と一緒に漢族企業家や労働者も移住、人口比はもはや逆転している。共通中国語(普通話)が苦手なウイグル族は漢族に雇われず、仕事にあぶれ、漢族に故郷を追い出される形で広東省などに出稼ぎに行っている。本末転倒だ。ウイグル族が漢族の故郷への流入を快く思わないのは当然だ。自身ウイグル族であるヌル主席や、その他の中国当局指導部はそうは思わないのだろうか。