Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

新疆2人射殺

2009-07-15 03:16:11 | Weblog

 新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで13日、警官がウイグル族に発砲、2人を射殺した。新華社が報じた。ウイグル族住民が中国治安当局に殺害されたと報じられるのは初めて。
 新華社の報道によると、13日午後2時55分ごろ、パトロール中の警官が、3人のウイグル族が棍棒や長刀を持ってウイグル族の群衆を追いかけているのを発見、威嚇発砲したが、抵抗したため法に基づき2人を射殺したという。1人は負傷し病院に運ばれた。
 7月5日の最初のデモ勃発のときも大勢のウイグル族は死亡しており、一部は警官らによるものとみられるが、特に報道はなかった。14日の新華社電は警察当局の情報として、150人の信徒を従えたモスクの指導者に三十歳代の男が近づき、「聖戦だ、聖戦だ。我々とともに進もう」とテロ活動を強いようとしたという。描写が変に細かくて不自然だ。今回、3人の様子を詳細に伝えたのは、おそらくウイグル族の目撃者が多く、事件そのものを抹殺することができないと当局が考えたためではないか。ウイグル族住民の反発が増長しないよう、一定の話をでっち上げて自己防衛しているのではないか。現場にいたウイグル族住民の証言と異なった部分があると、日本メディアは現地から報じている。
 中国当局は、海外で少数民族独立運動を扇動する組織を「三股勢力」と呼び、外交部(外務省)の定例会見でも、ウイグル族の独立運動組織に、いかなる国家も援助しないように強く求めている。中国当局は、事件が激化し、独立運動が西側諸国の同情を惹くことを想像以上に警戒している。「新疆ウイグル自治区に平穏は戻った。民族融和は進みウイグル族が怪我をした漢民族に献血した」など、歯の浮くような話を新華社を通じて配信している。
 インド・ダラムサラでダライ・ラマ14世に率いられたチベット亡命政権は、米国やフランスなど西側諸国のシンパシーと支援を受け、北京五輪聖火リレーの時のように中国当局に大きなプレッシャーをかけることができた。米ハリウッドなど目立った支援で、「7イヤーズ・イン・チベット」のような映画が撮られるなど、チベット問題は世界中の人に知られることになった。
 これに対してウイグル族の独立運動はチベットほどではない。このまま時が過ぎて次第に忘れられ、一部のみが過激にテロを続けるようなことになると、彼らの立場はますます悪くなるのだが。
 香港の明報を見たら、世界中の中国系学者158人が14日、中国当局によって拘束されているウイグル族学者の釈放を要求する公開書簡を連名で発表したと報じていた。この学者は中央民族大学准教授のイリハム・トフティ氏(40)で、漢族とウイグル族の融和を訴えるウェブサイト「ウイグル・オンライン」の開設者。広東省の玩具工場でのウイグル族と漢族の乱闘に関して「サイトでデマを流した」として7日に当局に拘束されたという。
 公開書簡は「イリハム氏はウイグル族と漢族の融和に尽力してきており、中国政府が誤りを認め、氏を釈放しなければ両族の団結に影響を与える」と警告している。