森の中のティータイム

離婚を経験し子供達も独立 
暮らしの小さな発見をノートに。

ナチュラルに生きること

2008-05-08 | 雑貨インテリア
お仕着せのレジャーランドというものが、どうも苦手な私。
多分、子供の頃から山や海、川や野原といった自然環境の中で
過ごすのが大好きだったせいだと思う。

どちらかというと文系で、活発な子供ではなかったけれど
どんこ(魚)や花や動物、鳥たちと戯れ、時には母が作った豆のサヤ
から中身を取り出すのを手伝ったり、あるいはただぼーっと見ていたり。
母と一緒に摘んだヨモギが、重曹を入れた湯の中で鮮やかな緑に
変わるのを見たりするのが大好きだった。

餃子はいつも皮から手作り。母が中国人のコックさんから直に
習った水餃子は美味でいくらでも食べられた。それをまた食べたくて
先日、小さい頃皮作りを手伝った記憶を辿りながら、娘と麺棒で
悪戦苦闘した。

何とか出来上がった時の嬉しさはひとしお。
娘とあーだこーだ言いながら作るのも楽しいし、
母と私たち4姉妹が、昔こうしてレジャー以上の楽しみを持って
いたことを、懐かしく思い出せた。

何もかも与えられた今の子供達は、本当に豊かなのだろうか。
自分で作り出す歓びを持っているだろうか。
子育ての間、幼い息子にゲームソフトを欲しいだけ与えた夫に
投げかけた疑問は、私と夫との生き方の違いにも通じていた。

ブームでただ終わる「ナチュラル」は、私には似合わない。
ちゃんと根を張った「自然と共に生きること」が肝心なのだと
思っているから。
だから新品をアンティーク風に見せかけることにも意味がないし、
アンティークは自分が(あるいは誰かが)使い込んでこその価値が
あると思う。

先日、大好きな骨董と植物の店「アルブル」さんで麻糸を安く買った
帰り道、実家に寄り、母が裁縫箱として使っていた古びた木箱を
姉から貰い受けた。

帰宅後すぐに洗い、放置していた間の埃や汚れを落とし、何度も
ヤスリやペーパーをかけては磨くということを繰り返し、少しは
マシになったので(笑)汚れの酷い蓋部分にだけ色を塗り、錆びた
取っ手には金属磨きで輝きを取り戻し、壊れた蝶番を付け直して
何とか母の愛した裁縫箱が蘇った。

 
      

物を大切にし、手入れして永く使う。
生きている限り、そういう生活を続けたいと願う。
こういう歓びは、多分娘たちにもわからないだろうけど
何にも代え難い充実感を、私に与えてくれる。



アルブルさんと周辺の素敵なお店の玄関ディスプレイ。
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