ゲンゴロウ Cybister japonicus
2012年採集 新潟県産
ゲンゴロウというとゲンゴロウ科(コツブゲンゴロウ科なども)の総称としても使われることが多いが、コイツはまさに正真正銘のゲンゴロウ。
和名がゲンゴロウだと紛らわしいのでナミゲン・ホンゲン・タダゲン・オオゲンなどの呼び名もある。ちなみに私はナミゲン派です。
写真の個体は左がオスで右がメス。オスはメスを掴む為に前脚に吸盤があり、メスはオスに掴まれやすくなる為に鞘翅に皺が沢山入る。
なのでオスは光沢があり、メスはあまり光沢がありません。
オス背面。
メス背面。
他の種類のゲンゴロウでもメスは点刻が荒かったり、筋が入ったりするものがいますが、同様の理由と思われます。
鞘羽の皺ですが、つかまりやすくしている説と両方あるようで、現段階の私では判断しかねます…。
メススジゲンゴロウやゲンゴロウモドキのような明瞭な溝が入るものは吸盤ではくっつきにくそうですし、ナミゲンのような細かい皺だとくっつきやすいようにも思えます。
それぞれの種類で戦略が違っているのかもとも思いましたがどうでしょう?
件の論文、私も探してみてみたいと思います。
それにしても繁殖の戦略は様々ですね。
それはそうと、私は、メスの翅に皺があるのは、交尾そのものがメスにとって負担になるので、くっつきにくくするためだと思っていました。確か、メススジゲンゴロウ属の翅の皺と、オス前脚の吸盤との関係の論文があったように思いますが、その結論を勘違いしていたのかなあ・・・