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時はずれ七夕の歌贈らんか家持宙を見て詠みたるを
「初秋風すずしき夕へ解かむとそ紐は結びし妹に逢はむため (七夕の歌八首 1/8 #20.4306)」
「秋風が涼しい夕に服を脱ぐために服着た妹に逢うため()」
「秋と言へば心そ痛きうたて異ケに花になそへて見まく欲りかも(七夕の歌八首 2/8 #20.4307 )」
「秋にしか逢えないゆえにつらいのか花に見立てて逢いたいからか()」
「初尾花ヲバナ花に見むとし天の川へなりにけらし年の緒長く(七夕の歌八首 3/8 #20.4308 )」
「初尾花ヲバナの花見るように天の川隔てたのかな一年間も()」
「秋風になびく川廻ビの和草ニコグサのにこよかにしも思ほゆるかも(七夕の歌八首 4/8 #20.4309 )」
「秋風にゆれる川岸の和草ニコグサの心優しく思えることよ()」