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「おもしろき歌集見つけり怪談をテーマにしたる歌を集める()」
「父さんがタンシンフニンしたというシチューの肉がそっと震える(怪談短歌)」
「独り身の遅れた春に野天湯で舌の冷たい女と浸かる(怪談短歌)」
「クロールのフォームを治してくれし手はまた水底へ消ゑてゆきたり(怪談短歌)」
「木が風を作り出そうと揺れ始む 散歩をしてはいけない夜だ(怪談短歌)」
「オバQはそうじゃないよとナミちゃんの描いたあの絵を忘れたかった(怪談短歌)」
「悪夢から目覚めてママに泣きつけばねんねんころりあたまがころり(怪談短歌)」
「あやとりの指絡みあう押入れに誰にも言えぬ友だちはいて(怪談短歌)」
「ずっと手をつないでいても踏切の途中でいつも体が消える(怪談短歌)」
「俳句でも『怖い俳句』という新書書き写せるも途中で消える(保存のしかたを間違ったのかゴミ箱にもなかった)」