そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

万葉集#19.4211-19.4212

2013年09月04日 |  / 万葉集

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「(処女ヲトメ墓の歌に追ひて和ナゾラふる一首、また、短歌)」

「昔から血沼チヌと菟原ウナヒが争って妻問う処女の話悲しい(いにしへにありけるわざのくすはしき事と言ひ継ぐ血沼チヌ壮子ヲトコ菟原ウナヒ壮子のうつせみの名を争ふと玉きはる命も捨てて相共に妻問ひしける処女らが聞けば悲しさ)」

「惜身アタラミの花の盛りに死を選ぶ処女の悩みははかりがたしも(春花のにほえ栄えて秋の葉のにほひに照れる惜身アタラミの盛りをすらに大夫マスラヲの語コト労イトホしみ父母に申し別れて家離サカり海辺に出で立ち朝宵に満ち来る潮の八重波に靡く玉藻の節フシの間も惜しき命を露霜の過ぎましにけれ)」
「死に場所をここと定めて黄楊ツゲを植え記念としたが生いてなびけり()」

「いにしへに ありけるわざの くすはしき 事と言ひ継ぐ 血沼チヌ壮子ヲトコ 菟原ウナヒ壮子の うつせみの 名を争ふと 玉きはる 命も捨てて 相共に 妻問ひしける 処女らが 聞けば悲しさ 春花の にほえ栄えて 秋の葉の にほひに照れる 惜身アタラミの 盛りをすらに 大夫マスラヲの 語コト労イトホしみ 父母に 申し別れて 家離サカり 海辺に出で立ち 朝宵に 満ち来る潮の 八重波に 靡く玉藻の 節フシの間も 惜しき命を 露霜の 過ぎましにけれ 奥つ城キを ここと定めて 後の世の 聞き継ぐ人も いや遠に 偲ひにせよと 黄楊ツゲ小櫛ヲグシ しか刺しけらし 生ひて靡けり(4211)」

「処女らが後の表シルシと黄楊小櫛生ひ代り生ひて靡きけらしも(反歌 #19.4212 右、五月の六日、興コトに依ツけて大伴宿禰家持がよめる。)」
「処女らが後の表シルシに黄楊ツゲ小櫛ヲグシ生え変わりては靡いているよ()」

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