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今、武光誠さんの『聖徳太子』を読み終えた。聖徳太子といえば梅原猛さんの専売特許の感があるが武光さんのこの本もよく書かれている。どこがいいかというと、太子のことだけでなく、馬子や推古、守屋など登場人物の心理も書き、その時代の意味とか事件の発生した原因等に言及しているからだろう。
古代史を知りたい、学者もどきに勉強したいと思うなら、勉強したことを活き活きと語らねばならない。そのためには登場人物が何を考え、何をしたかということをはっきりさせて、その結果の影響を推し量り、歴史的評価を下さなければいけない。
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「ぬば玉の夜渡る月にあらませば家なる妹に逢ひて来コましを(歌六首 4/6 #15.3671)」
「真っ黒な夜出る月にあるのなら家の妻にと逢ってくるのに()」
「久かたの月は照りたり暇イトマなく海人の漁火イザリは灯し合へり見ゆ(歌六首 5/6 #15.3672)」
「久しぶり月は照りたり惜しむように海人の漁り火灯し合いたり()」
「風吹けば沖つ白波かしこみと能古の泊にあまた夜そ寝ヌる(歌六首 6/6 #15.3673)」
「風吹けば沖の白波恐れては能古の泊まりに幾晩も寝る()」