10/17
「和歌山の 浜に寄せくる 真珠貝 拾うと言って 妹の山 背の山越えて 行った君 いつ帰るかと 玉鉾の 道に出で立ち 卜占する われ尋ねたら 占いは われに告るに 『吾妹子や あなた待つ君 沖の波 来依す白玉 辺つ波が 寄せる白玉 探しおり 彼は帰らぬ 探そうと 彼は帰らぬ 長ければ いま七日ナヌカほど 早ければ いま二日ほど かかるかな』 あなたおっしゃる 恋るな吾妹と()」
「紀の国の 浜に寄るちふ 鮑玉アワビタマ 拾ヒリはむと言ひて 妹の山 背の山越えて 行きし君 いつ来まさむと 玉ほこの 道に出で立ち 夕卜ユフウラを 吾が問ひしかば 夕卜の 吾に告らく 我妹子や 汝ナが待つ君は 沖つ波 来依す白玉 辺つ波の 寄する白玉 求むとそ 君が来まさぬ 拾ヒリふとそ 君は来まさぬ 久ならば いま七日ナヌカばかり 早からば いま二日ばかり あらむとそ 君は聞こしし な恋ひそ我妹(#13.3318)」
「杖衝き衝かずも吾(あれ)は行かめども君が来まさむ道の知らなく(反し歌 #13.3319)」
「杖を衝く衝かぬも吾は迎えるがあなたが帰る道を知らない()」
「直タダに行かずこゆ巨勢道コセヂから石瀬踏み求めそ吾アが来し恋ひてすべなみ(#13.3320)」
「直チョク行かず巨勢道コセヂを越えて石瀬踏みあなたを求め恋に術なく()」
「さ夜更けて今は明けぬと戸ひらきて紀へ行く君をいつとか待たむ(#13.3321)」
「夜が更けて今は夜が明け戸を開き紀へいくあなたいつとか待たん()」
「門に居ヲる娘子ヲトメは内に至るともいたくし恋ひば今帰り来む(#13.3322 右五首。)」
「門で待つ乙女が宇治に来ていてもすごく待つならすぐに帰ろう()」
10/17
「人権の研修があり大阪で講師は松本城洲夫さんなり(龍谷大学講師)」
「昨年も同じキャストで行われ続編なりし今年の講義()」
「アメリカの人種差別と日本での同和差別を対比されたり()」
「講義中シドニー・ポワチェの映画見せ黒人差別の不条理を説く(『夜の大捜査』を途中迄観賞)」
「日本は同和映画の悪い面描き出したるわれは知らぬも(『夜明け前』とか、在日朝鮮人の問題などもあるのだろうが)」
「柔軟性欠いた分類したうえで一般化すりゃそれが差別と()」
「面倒も生活のなか社会的良識もちて意識を磨け()」