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「菅の根のようにねんごろわが思もう妻がもとなる忌みことばたたなきゃいいと斎瓮イワイヘを斎ひ掘り据ゑ竹玉タカタマを間なく貫ヌき垂り天地の神に祈れるせんかたなくて()」
「菅の根の ねもころごろに 吾が思へる 妹によりてば 言の忌みも 無くありこそと 斎瓮イワイヘを 斎ひ掘り据ゑ 竹玉タカタマを 間なく貫ヌき垂り 天地の 神をそ吾が祈む いたもすべなみ(#13.3284)」
「たらちねの母にも告ノらず包めりし心はよしゑ君がまにまに(反し歌 #13.3285)」
「たらちねの母にも言わず隠してた心はままよあなた任せよ()」
「玉たすき懸けては始終わが思う君によりてば倭文幣シズヌサを手に取り持って竹玉を多く貫き垂り天地の神にと乞えるせんかたなくて()」
「玉たすき 懸けぬ時なく 吾が思へる 君によりてば 倭文幣シズヌサを 手に取り持ちて 竹玉を 繁シジに貫き垂り 天地の 神をそ吾が乞ふ いたもすべなみ(或る本の歌に曰く #13.3286)」
「天地の神を祈りて吾が恋ふる君に必ず逢はざらめやも(反し歌 #13.3287)」
「天地の神を祈ってわが恋すあなたにきっと逢おうと思う()」
「大船に信頼をして松の根のいや遠長くわが思うあなたのせいで言禍をもなければいいと木綿ユウたすき肩に取り懸け斎瓮イハイヘを斎イハひ掘り据ゑ天地の神にと祈るせんかたなくて()」
「大船の 思ひ頼みて 松が根の いや遠長く 吾が思へる 君によりてば 言の故も なくありこそと 木綿ユウたすき 肩に取り懸け 斎瓮イハイヘを 斎イハひ掘り据ゑ 天地の 神にそ吾が祈ナむ いたもすべなみ(或る本の歌に曰く #13.3288 右五首。)」