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川上弘美さんのお話をネタに語呂合わせをしていると、短編小説とお話の境目がわからなくなった。今読んでいる川上作品は短編小説と呼べるのかしら、呼べないとしたら単なるお話なのか。小説やお話しの条件とは………など考えたりする。
不遜にも小説は書けないがお話だったら書けそうな気がすると思ってしまう。ただ、さっと読んでいると気づかないことでも、スローに川上を読んでいると、こんなところにこのタイミングで、こんなことを書いているのかと感心させられ、わたしなんか、まだまだお呼びじゃない気もする。しかし、やってみなはれ、という言葉があるが、箸にも棒にもという言葉もあり、棒くらいだったら引っ掛かるかもしれない。年を取って羞恥心がなくなったぶん何も怖いことはない。
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「海人娘子潜カヅき採るちふ忘れ貝世にも忘れじ妹が姿は(#12.3084)」
「海女乙女潜って取れる忘れ貝いつも忘れぬ妻の姿を()」
「朝影に我が身はなりぬ玉かぎるほのかに見えて去にし子ゆゑに(#12.3085)」
「朝影にわが身はなった玉光る微かに見えて去った娘のため()」
「なかなかに人とあらずは桑子クワコにも成らましものを玉の緒ばかり(#12.3086)」
「なかなかに人でないなら蚕にもなればよかった少しの間でも()」