きのうからきょうにかけて、私の誕生日イベントなる催しが家族内で行われた。
きのうのお昼前に妹と伊勢丹で待ち合わせ、湯呑を買ってもらった。湯呑はポーランド製。ビオラの模様の、とてもかわいいもの。お昼ごろに息子と合流し、野菜中心の和食ランチをいただいた。
夫はプレゼントがわりに、全員の夕飯を準備する、ということだった。メニューは
ブリの照り焼き、ふろふき大根、炊き込みご飯、お吸い物、デザートに愛媛オリジナル柑橘の甘平。 「和」だ。
夕飯でできあがるまで、遊ぶ。懐かしい卓上ゲームをしたり、ピアノを弾いてもらったり。息子からは「366日 日本の美しい色」という色図鑑のような素敵な本とエプロンをもった。
夕飯のあとに二段ケーキ(こぶりでキュートな苺の)を食べ、錦見さんの小説『恋愛の発酵と腐敗について』のキャストをみんなで考えたりした。(夫と息子はまだ読んでいないのに、私と妹のイメージで俳優をいろいろ挙げてきてるのが面白かった)
結果は後日、Twitterに応募するつもり。
夜、息子を駅まで見送り、そのあとは泊まってくれた妹と遅くまで言葉のパズルをやったり、おしゃべりしたりした。
今朝は夫がフレンチトーストを焼いてくれて、私は甘平を切った。おだやかな朝食。お昼は伏見へ鰻を食べに行き、酒蔵周辺を散策したのち、京阪電車に乗って東福寺へ。三門が特別公開中で、上までのぼって説明を聞いた。(上からの眺めは素晴らしかったけれど、撮影は禁止だった)
それからだれもいない通天橋を渡り、普門院庭園、方丈庭園をみる。石のお庭がきれい。そこでも3人きりだったので、日の当たる場所に腰掛けて、ぼんやりと眺めたり、話したり。あまりにも静かで、空気が澄んでいて、現実とは思えないほどだった。
私「またこんな誕生日がくるかな」
妹「くるよ」
夫「来年もまたどっかいけばいいやん」
そうかな。だって、きょうロシアがウクライナと戦争を始めてしまったというのに、ずっとこんなに穏やかな日々が続くって信じられない。まるで私たちだけべつの場所に大きな手につまんでこられ、ここに置かれているみたいじゃない。なにが現実でなにが現実でないかって、もうよくわからない。
私「わたし、きのうときょうのこと、一生忘れないよ」
伏見に戻って、ぜんざいを食べ、妹を見送った。帰宅して両親に電話する。母は私の誕生日を忘れていたので、
私「きょうはお母さんが私を生んでくれた日だよ」
母「あらあ、こっちから電話せなあかんかったのに。なんにも用意してないし」
私「生んでくれたことでもう十分よ。ほかの誰もできないことやん」
母「そうよね!←すぐにひらきなおる」
それから父に代わってもらって、父にもお礼を言った。きっと心がふかふかだったから、両親にも素直になれたんだと思う。
残された時間を大切にしたい、と思った誕生日だった。