きょうは誰の世話もしない日。
夫は和歌山へカヌーツアーに出掛けていて、8時に目が覚めたらすでにいなかった。曇っていると思っていたらだんだん日が射してきたので慌ててきのう乾ききっていなかった洗濯物をベランダに出す。ベランダに出ると風が強い。ああ、早坂類だと思う。『風の吹く日にベランダにいる』は早坂類の歌集名。すてきなタイトルだなぁ。ひとりでいるとき、布団を干したり、洗濯物を取り込んだりするときに、ふとこのタイトルを思い出す。
こういうとき、短歌を知らないで終わった人生もあったかと思うと、とても幸運のような気がする。ベランダにいる、なんていうことはほんとうにささやかな日常なのに、船出をしたばかりの甲板のような、大海原を冒険しているような、わくわくするような心細いような気持ちになる。
そして、同時にベランダからとなりの屋根の瓦にあたる光をみて、「こいのぼり」を思う。
♪ いーらーかーの波と くーもーの波
重なる波の 中空を~
父は歌が好きで、私たちが子供のころはいつも歌っていた。こういう童謡をおもに。まったく意味はわかってなかったけれど、すごい歌詞だと思う。こいのぼりのおおらかさ、託された未来、みたいなものまで浮かんでくる。
そうだ、きょうは掃除をしないと。23日に妹と息子がうちへ来ることになっている。「身内だから掃除なんていいよぉ」というけれど、そうかなぁ、いいよねぇ、と思えるような程度ではない状況。
9時から妹に電話しながら40分ほど衣類を片付ける。10時からはカーリングの決勝をちらちら見ながら、私もがんばるわ、という力をもらって、掃除をすすめていく。毛布を干し、布団を干し、洗面所を磨く。2階の3部屋がどうにか片付いてきて、ガレージを掃く。いい調子。夫がいないとはかどる。
銀メダルを取ったカーリングの表彰式を見たあと、お昼ごはんをささっと食べて(きのう実家で作った肉じゃがをもらってきていた)、トイレ掃除、やがてリビングに至る。本が多すぎる。とりあえず本は2階へ運ぶ。夫の部屋へ夫のものを運び込んでいたら、あれ、ハーモニカ? と思ったら、光だった。
・カーテンのすきまから射す光線を手紙かとおもって拾おうとした 早坂類
ちょうど、そういう状況。ハーモニカかとほんの一瞬思ったのだった。手紙にも見えるな。スマホで写真に撮っておく。
そろそろ洗濯物を取り込む時間。風が強かったから乾いているはず。
このあと17時からはは、錦見さんと鯨井さんのインスタライブを見る予定。