義父は昔からこだわりのある人だったけれど、最近歳を重ねるにつれてそれが増してきている。
先日、スタッフが腰につけているウエストポーチをみて自分も持っていたことを思い出したようで、あれをもってきてほしいといわれ、夫の実家で探したけれど、リュックと肩掛けバッグしかなかったので、それを夫に持って行ってもらった。
それが思っていたものと違うというクレームが・・・・・ いや、探したんですけどなかったのでそれで代用してもらえませんか、とメールしたら(いつも義父とはショートメールでやりとりしている)、「わかりました」と返事が来てほっとしていたら、1時間ほどすると、「こだわるようですが」とまだこだわりを延々と書いてこられる。
施設長さんに電話して、次のお買い物デーのときに希望のものを買ってもらうように話をつけた。
すると、また気が変わったようで「買うほどのことではない。確か、家の二階にあったはず・・・・・」とぐるぐるめぐる。結局は肩掛けバッグをしぶしぶ使ってもらうことになった。
きょうは施設の更新の面談の日。スタッフ3名とお義父さん、私、夫で話をする。元気に充実した日々を過ごしているようでよかった。
部屋にも入ってもいいと言われたので、面談のあと、お義父さんの部屋へ久しぶりに入った。すると、肩掛けバッグが壁のフックにかけてある。
私「これですね。バッグ。このきれいな宝石みたいなの、ついてたんですか」
義父「ああ、裁縫箱に宝石みたいなボタンが入っていたから自分で縫い付けたんです」
え、自分で縫い付けた・・・・! すごい。裏返してみると、糸で塗ってある。
義父「名前も書いてますけど、他の人と間違えないでしょう」
確かに。オリジナルになっている。すごい。94歳。 しぶしぶ使っているとは思えない、思い入れ。
使っているうちに愛着がわいてきたのかもしれない。朝昼晩、時間があったら歩行器を使って施設内を歩き回って足腰を鍛えているらしい。
5年延長しましたから。どうぞ元気で長生きしてください。