きのう、会社の帰りに地下鉄に乗っていたら、前に座った女性が、亡くなった親友のタカにそっくりだった。思わず、凝視してしまう。
ほんとうにそっくりだったのだ。マスクはしていたけれど。亡くなったのは36歳だったから、その人もちょうどそれくらいの歳で、隣に座ったお友達と楽しそうにおしゃべりしていた。
ああ、タカもあんなふうに笑っていたな。 指の白さも細さも、見ればみるほどよく似ている。他人をこんなに見つめたら失礼だろうと思うも、ついつい目に焼き付けたくなって見てしまう。
つぎの駅でお友達が降りて、私と向かい合わせのまましばらく電車は進んだ。
窓の外は真っ暗で(地下鉄だから)、切り取られた写真のようなその人を見ていると涙ぐんでしまう。タカに似た人が楽しそうに生きていてよかった、と思う。さっき降りたお友達はいつかその子と別れる日が来るなんて思ってもいないだろう。
2つ目の駅で、その人は降りて行った。 ついていきそうになったけど座っていた。
そして、ああ、と思った。このあいだ、ここにも書いたけど、私に会いに来てくれたモンシロチョウはやっぱりタカだったんだね。そうじゃないかと思っていたよ。
こんなふうにね。
私が生きている限り、何度でもタカに会えるね。