最近、会社でお昼はささっとすませて、明るい窓のある場所へ移動して本を読んでいる。
誰でも自由に利用できるオープンスペースで、机もあるし充電もできて(いまはまだオープンまえだから塞いであるけど)、ゆっくりできる。通りのむこうが大学なのでビル街のなかの開かれた一画といった感じだ。
きのう、いつものように読んでいたら、となりの課のTさんがやってきて、「ふじたさん、何読んでるんですか」と訊かれた。
表紙をみせると「読んだことない作家だなぁ」。
Tさん「え、なに、その付箋いっぱいついてるの」
私 「ああ、いつも歌集読むときに、いい歌やちょっとなにかいいたい歌に付箋つけながら読むんだけど、このごろは小説を読む時にまでつけてるの」
Tさん「へぇ、気に入った一行とか?」
私 「うんうん、それと、こういう表現これで3回目だからべつのいい方にしがほうがいいんじゃないのとか」
Tさん「上からですね!(笑)」
私 「あはは、そうそう。やっぱりなんか気になって、べつに誰に伝えるわけでもないけど」
純粋に書いたものを楽しむ喜びはなくなってしまったかもしれないけど、こんなふうに読んでいるとどんなに著名な作家の作品でも、なんとなく親しみを覚えておもしろい。1冊読み終えたころにはすこし近くなったような気がするのだ。
歌集の歌をノートに書いたり、小説や絵本や詩の一部をパソコンに打ったり。なんのためにそんなことやるのって家族にも言われるけれど、なんのためにってことじゃないんだな。
楽しいからかな。