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いつでも君のこと好きだったよ

片山楓子歌集『タマちゃん(仮)』

2019-02-12 15:39:20 | 日記

 片山楓子さんからとてもかわいい歌集が届いた。

 

 絵も自分で描いている。心をこめて手作りした歌集だ。表紙には「ネコ寺お守り歌集その一」と書いてある。お守り歌集・・・ふむふむ、と思ってページをめくると、

 

 ・どんどこと太鼓を打てばどんどこが土に帰った人へと届く

 

 という歌と、お坊さんが太鼓を叩いている絵。横一行に書くとそっけないようだけれど、5行書きでゆったり並んだ言葉からはほんとうに「どんどこ」がいったん土に沁み込んで、また土からあがってくるようだ。

 

 楓子さんは関西から山口県の雲林寺というお寺に嫁いだ。お坊さんの奥さんって大変じゃないのかなと心配したけれど、家族に馴染み、地元の人にも可愛がられ、観光客の人にも愛される、すてきな人になった。私が塔に入ったころ、彼女はまだ二十代だった。はじめてうちへ遊びに来たとき、「母からです」といって、風呂敷から蜜柑をだしてくれた。そのとき、私は、ああすてきなお母さんだな、暖かいお家で育った子だなと思った。

 

 そう。はじめから私が心配することなんてなかったのだ。お寺の奥さんにぴったりの優しさと慈しみの心を持っていたのだから。

 

 歌集の最後の歌は

 

 ・私の手はたった二本しかないけれどあなたのためのお祈りをする

 

 お守り歌集だ、これは、と思う。大切にそばに置いておきたい。

コメント
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