きょう、金木犀の花が地面に落ちているのをみかけて、やっぱり金木犀は落ちた花がかわいいなぁと眺めていると、そこへカマキリが歩いてきました。
「やあ!」
カマキリはいつも突然私の目の前にあらわれて、「やあ!」というのです。
小学5年生のときに私をかわいがってくれていた祖父が亡くなって、しばらくしたときに、窓から入ってきたときも、「やあ!」と現れたのでした。 4階の窓だったのに。
あれから、カマキリは「おじいちゃんの生まれ変わり」と信じています。
カマキリは寿命が短いので、見かけるたびにそれは別のカマキリだとは思うのですが、「あ、おじいちゃん!」と私は反応してしまいます。
おじいちゃんは人間からカマキリに生まれ変わったあと、それからはずっとカマキリに生まれ変わり続けていることになります。
若いカラスノエンドウの小さい種のような、つるつるした目玉。 歩き方ががに股で、まるでおじいちゃんがステテコをはいてのっしのっしと歩いているようです。
いくらかっこつけて歩いていたって、私の目にはステテコ姿のおじいちゃんにしか見えなくて、ちょっとカマキリに気の毒な気もしますが、まぁいいのです。