ビアンカの  GOING MY WAY ♪

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   人生は ・・・ダバダバダ・・・

セレブ・ブランド店での楽しみ

2010-03-21 | cinema

メゾンエルメス10階 ル・ステュディオでの上映会に、地元の友人を誘って行ってきました。今回は1970年の映画「ロバと王女」。
シャルル・ベローの「ロバの皮」という童話をもとに、メルヘンミュージカル風に仕上げたのはジャック・ドゥミ監督です。「シェルブールの雨傘」や「ロシュフォールの恋人たち」と立て続けにミュージカル映画を発表するも、この「ロバと王女」の映画化は監督の長年の夢だったそうです。
出演はカトリーヌ・ドヌーヴ、ジャン・マレー、ジャック・ペラン等、一流どころ。
音楽は上記2シネマと同様、ミッシェル・ルグランが担当しています。


語りつがれる“ものがたり”をテーマにした一回目の映画の
原典は「美女と野獣」でした。ちなみにジャン・マレーは双方に出演しています。ページをめくれば音楽が聴こえる絵本を見ているようで、非現実的なストーリーの展開にワクワクしました。時間の流れが気持ち良く、懐かしき良き時代を感じずにいられない映画です。ジャック・ペランも、「ニュー・シネマ・パラダイス」では味のある中年男になっていたけど、ここでは若々しくて華奢なかわいい王子さま。
彼は、私がまだ小中学生のころでしたが、「
家族日誌」という映画で初めて知り、一
目ぼれした人。「大人は判ってくれない」とか「さよなら子供たち」など、子供が主役の映画っていいものが多い気がしますがどうでしょう?

なんか横道に反れそうなので元に戻ります。

ストーリーは、宜しければ上のリンク先でご覧になって下さい。いくらお妃が「私より美しい人となら再婚を許す」という遺言を残して亡くなったからって、自分の娘に結婚を迫る親っていますか?宝石を産むロバとか、馬も兵隊も青く塗られている王国があれば、赤く塗られた王国あり、カエルをぺっと吐き出す女がいたり、と、お伽話ならではの想像の世界も、最後はシンデレラのような展開に。シンプルに面白かったです!

映画のあと、8階フォーラムで開催中の「Hollow/小谷元彦」展に立ち寄りました。小谷氏は1972年生まれ京都出身の現代美術家。
Hollowとは空洞とか空虚などを意味するようです 。作品も中は空洞のようですが、そんな単純なことを意味しているのではないでしょう。(汗)
パンフレットには、
【重層的なキーワードを取り組み作品は作られる】の次にそれらのキーワードが羅列されていましたがどれも意味が難しそう。
例えば、「一つの彫刻に対し、各々のパーツにGをかかったものを構成することで、水中と似た中性浮力の状態を作る。Gのキュビズム。」「アポロンとダフネ=植物化する身体」など、私のあたまではよく理解出来ません。

材料はFRP(繊維強化プラスティック)、ウレタン塗料、ミクストメディアと書かれていましたが、細くて白い樹脂が絡まり合って作品を形成しているのが全体的な特徴。
上の写真「Reversal Cradle」も、宙に浮いて向かい合った二人の女性が、細く垂れた樹脂によって繋がっているように見えます。一対で一人?・・・と書き込んだあと、ふと頂いた冊子に目を落すと、この彫刻の説明が、まるで哲学書のように書かれていました。こんなです。

 
〈Reversal Cradle〉では、「降下」と「上昇」の二方向へと分裂した美しい女性像が、ドッペルゲンガーのように互いを補完し合う。それは、まるで幽体離脱ー自分の身体から抜け出た自我が眠っている自分を上から見下ろすーという超自我体験を行っているようでもある。
  地上におけるGの方向へ素直に従う「降下」運動は、スピードを増しながらもある種の堕落した恍惚感を醸し出す。それは『重力の都』における獣的とも言える欲望の下方向への流れ、『蜘蛛の糸』における犍陀多の地獄への落下、『砂の女』における蟻地獄のような感覚、もしくは・・・
(森美術館のアシスタント・キュレーターによる解説はこの3~4倍以上続きます。)

さすが表現力抜群!何回も噛み砕いて集中力を切らさず読まないと、頭の中に入って行かない我がオツムの悲しさよ~。私たちは、「こんなに大きい作品は、運ぶのも収納するのも大変だろうな~」とか、「どのようなところが作品を買い取るのかしら」など話しながらも、創造力豊かな大作アートに感性を刺激されました。

プレスカンファレンスインタビューの中での小谷氏のメッセージを読むと、なんとなく頷けますね。以下その一部です。

 古来、人間というのは実体があって、影ができて、その影に対して恐れとかを
感じる。人間は、実在している人間そのものよりも、むしろ影とかに恐れを抱く
ものであろうという風な印象を持っていて、いわゆるその影的なものというか、
気配のような、そういったものを物質体として考えると、わりと空中にある気体
のイメージに近いのかなというのもあって、気体の状態に近いような状態の人体
に、人型のような、それに近いようなものをつくってみました。



お昼は東銀座まで歩き、「マザーリーフ」というお店でパスタランチ。食べ放題のワッフルがデザートとして付きます。軽いワッフルなので食後でもぺロッ、でした!

この日はもう一ヶ所、寄りたいところがありました。またまたセレブ・ブランド店ですが、ブランドを見る為ではありませ~ん。シャネル・ネクサス・ホールで開催中のフランソワーズ・ジロー回顧展が目的でした。言わずと知れたピカソのミューズだった彼女。ピカソに関わった多くの女性の中で唯一、自分から彼の元を去った、美しく強く聡明な女性。ピカソとの間には二人の子供がいますが、その一人のパロマ・ピカソは今、ティファニーのデザイナーとして活躍していますね。

フランソワーズ・ジローの作品はどれもハッと
するほど明るくてシンプルです。今でもNYとパリを拠点に活動している、とのことにビックリ!1921年生まれだから、今年89歳ですか。

   
         自画像

このような企画があるからこそ、胸張ってブランドショップに入っていける私でした。

 


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