頭が下がります
昔といっても十数年前に、山田洋一監督の「学校」とい夜間中学を題材にした映画を観たことがあります。この映画、シリーズ物となって何作か創られ、小生全部観ているのですが、感心させられたり、涙したり、また大いに笑わされたりしたものでした。
昨夜現在の夜間中学の実態をNHKが放映していました。結論から申せば各自治体が、予算の関係から縮小に走っているということでして、必要としている子供、或いは子供のころいろいろ事情があって、中学に通えなかった大人たちの向学心に、水を差す事態になっている現状を報告しておりました。
公立私立と全国に数十校?あり、生徒たちの学ぶ姿に感動させられ、そしてなにより私立中学の先生たちが、ボランティアで教鞭をとっているといった事実に、世間にはこうした人たちがおられるのだということに驚くとともに、頭が自ずと下がる思いでした。
中学時代、苛めにあって不登校に追い込まれたり、或いは貧しさから家計を担わねばならぬ境遇におちいった子供たちが、また大人たちが、読み書きも満足に出来ずにいて、そこから懸命に脱け出そうとする姿。まったくもって行政は何をしているのか、怒りより呆れてしまうのが先であります。
それより現在中学では不登校の生徒たちにたいして、卒業時に何のためらいもなく、卒業証書を授与してしまう実態を明らかにしております。その結果夜間中学に入学しようにも、中卒の資格ありで、入学を拒否されてしまうことがあるといいます。
教育を受ける権利は日本国民なら誰にでもあるはずです。そんなことは誰でも承知しているはずですのに、なんで行政はそんな姑息なことをするのでしょう。
これが日本の教育の実体かと思うと、背筋に冷気が走る思いであります。
こういうことに予算をたてられないほど、日本は貧乏なのですか。