今回の特別展の見どころは、保全のために研究者ですら入ることを許されないラスコー洞窟の中でも傑作が並び特徴的な技法で描かれた壁画群と、最も謎に包まれた「井戸の場面」の絵が、3次元レーザースキャンの最新技術と、膨大な時間をかけた手作業で精密に復元されているところだろう。
巨大なウシや躍動感あふれるウマの姿が見事に再現されている。 約2mの黒い牝ウシは、教会建築用語の「身廊」と名づけられた壁画群の中で最も存在感があり、約20頭のウマの列が重ねられて描かれている。
背中合わせのバイソン
2頭のオスのバイソン(野牛)が交差し、交わる尻の部分は、濃淡をつけて立体的に見せる技法が使われている。 バイソンの体の一部が赤いのは、冬から春になると起こる毛色の変化を表しているらしい。
泳ぐシカ
角が立派なシカの頭が並ぶ様子は、群れで川を泳いで渡っているように見え、地面から約2mの壁の高い位置にあり、ハシゴを使って描いたという説がある。
謎に満ちた「井戸の場面」(実物大で再現)
ラスコー洞窟で最も深い位置、深さ5mのたて穴を降りた広間に、倒れた“トリ人間”を含む奇妙な場面が描かれているが、この場面の意味は不明である。
またこの部屋では、精巧につくられたランプや多数のトナカイ角製の槍が発見されている。
From Face Book: Special exhibition “Lascaux: The Cave Paintings of the Ice Age” being held at the National Museum of Nature and Science (2)