夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

片思いで荒れる日々

2007-07-07 06:08:14 | 福祉について
 あうんに通うメンバーは若いメンバーが多くて、そろそろ人を恋する意識も芽生える時期になっている人たちも居る。
 Yさんはあうんの開所(7年前)当時からのメンバーで、現在は20代前半の女性だ。これまでも施設職員や通所メンバーに激しく一方的な恋をしては、それがかなえられないとパニック行動を起こし危害を加えたり、とにかく精神的に不安定な日々を過ごすことが多かった。「プラダウイリー症候群」という、生まれつき遺伝子の一つが備わっていないために、人格障害を起こしパニック障害を起こしたり、食事をしても満腹感を感じないためにどんどん食べ続けて肥満傾向になり、成人病を併発するなどが特徴と「言われている。その病気を背景にして、さらに知的な制約もあるために、大人と子どものこころのバランスが悪く、望みがかなえられないと怒ったり泣き叫んで、施設の器物損壊はもちろん、当たりかまわずものを投げつけたり、弱い人にも当たるので、パニックになればスタッフは眼ばなしも出来ないで対応に追われる。
 もっとも大変な行動にはほかにも、人前で裸になったり、排尿便を当たりかまわず平気で行なうので後始末も大変なのだ。病気も関連して隠れて物を食べたり、施設の冷蔵庫や食品庫から食品を盗んでは全部食べてしまうし、祖母の財布からもお金をくすねては過食となっている。医師からも糖尿病を初めかなり危機的な状態にあるので、過食制限はあるにもかかわらず、どんどん肥満と病気は進んでいる。
 それに加えてスタッフへの片恋である。独身の職員だけかと思えば必ずしもそうではなくて、奥さんがいても横恋慕する。とにかく優しくしてくれる人がいれば、一気にその人を好きになって、その人の気持ちなどお構いなく嫉妬や邪推し怒っている。家庭でパニックになると、警察から救急車、消防車など電話しまくるので、大騒ぎになってしまうこともあって、家族も大弱りなのだ。
 この熱がいつ冷めるのか誰もわからないのだが、昨日もお目当ての職員が不在のために、朝から夕方まで興奮冷め遣らず、スタッフはその対応に追われることになった。お目当てのスタッフが居ないので家に帰るというが、母親からは施設においてほしいという強い要望があり、説得しても聞かないので、ひたすらそばにいて見守るしか手はない。本人が疲れたりお腹がすけば一時的に眠ったり食事をしたりの休戦はあるが、とにかくエネルギーがあるうちは暴れまくるので、スタッフはひたすら嵐が過ぎ去るのを待つしかない。
 施設の備品や設備がそのために毎回犠牲になって、その補償もままならないのだから頭も痛くなる。
 片恋の病に効く薬が欲しいが、どこかにないだろうか・

守る会交流キャンプ準備

2007-07-07 05:30:24 | 福祉について
 毎年恒例になっている重症心身障害児(者)と保護者の「交流キャンプ」が今年は弘前地区で8月25日~26日に開催されることになった。総勢70名程度だが、1泊2日でのキャンプの準備は仕事をしながらだとかなりきつい。
 会場は旧相馬村・現在は弘前市の「星と森のロマントピア」というホテルとコテージ、温水プールや天文台、その他のレジャー施設をを備えた場所である。
 予算規模は子ども未来財団からの助成金+県助成金+参加費となっている。
 このキャンプを支えるのがボランティアで、主に守る会の役員、養護学校の先生や福祉施設の職員などのほか、中高校生や大学生の参加者30名である。重症児者はこれまで無料だったが、県の助成金削減などに伴って、今回から一人5千円ずつの負担金を徴収することにした。宿泊費は一人約1万円だからそれでも助成分は保護者・ボランティア分も含めれば一人1万円を超す助成をする計算になるのだから、決して高い負担金とはいえない。ただ、当初の時代は青森県の補助金が900千円もあったものが、現在はキャンプそのものの補助金は100千円と削減が続いて来て現在の負担金が発生したのである。
 このキャンプの目玉は、なんといっても保護者にはリフレッシュと休養・研修会などでの情報交換をしてもらうことであり、重症児者には楽しいボランティアとの交流によるレクリエーションなどがメニューとなっている。今回の保護者研修会は、重症児者の通所更生施設でも全国に有名な横浜市の「訪問の家」のケアホームと生活支援センターの視察をして来た「であいの家あうん」のスタッフの報告である。またお楽しみはパーカッション奏者の奈良裕之さんのコンサートと温水プールでの水遊びを準備している。中高校生ボランティアには「重症児者の特徴と支援のあり方」をやさしくお話をすることになっている。少しでも重症児者を理解するボランティア層を増やしたいのもこの事業のねらいである。我が施設のスタッフには地元での行事開催の時には研修を兼ねてボランティアとして参加してもらって,少しでも専門性を身につけてもらいたいと考えている。
 青森県の守る会という保護者の会の特徴は、親だけではなく賛助会員としての養護学校や福祉施設を中心とする会員に支えられている点である。とかく親たちだけで固まる会が多いが、社会の中で重症児者を特別視せずに理解を深め支える市民を増やす意味ではこの交流キャンプは意義のあることだと思っている。