夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

心の友・新潟より来る

2007-07-06 06:01:28 | つれづれなるままに
 母親の認知症が極限まで進み、その介護を決意し56歳で会社をリタイヤした友人が、昨日新潟より来弘した。I君の母親は今82歳で、認知症(アルツハイマー)の判定を受けている。可能な限り身近なところで介護したいという思いで、これまで勤務してきた職場を辞めたという。思い切った決断である。彼に言わせれば3度目の人生やり直しだという。高校を卒業し長男でもあった彼は、家業を継いだ。順調に店は推移していたようだったが、火災で一気に店を無くしてしまった。その後彼は市場の正職員を固辞し、臨時職員として10年間働いて来た。そして今また母親の介護を自ら行なおうと、リタイヤを決めたという。やや早すぎる引退だと、彼の能力を考えると惜しむ気もしなくはない。
 そんな彼ではあるが私がもっとも憧れるのは、自らの生活を組織に縛られないような位置に置いて、奥さんと一緒に旅行などを定期的に行なって人生を楽しむ心を持っているのである。
 思えば自分はカミさんと二人だけでの旅など新婚旅行を除けば、今までなかった。いや、出来なかったのである。人生の何をもって豊かと言うのであろうか。ひたすら働き続けることも一つの人生の過ごし方かもしれないが、心のゆとりを持ちながら後半人生を楽しむ気概を持てることも、素敵な人生の潤滑油ではないだろうか。
 納得したい人生。彼は母親を納得するまで介護し、見送りたいという。私はその熱き思いに拍手を送りたいと思った。