夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

6月30日(土)価値観の転換

2007-07-01 10:47:18 | つれづれなるままに
 NPO推進会議の主催による人権教育の研修会の講話を依頼され、青森市まで足を運んだ。そして講話が終え、その後で企画されていたのが童話を読むことだった。
 主催者側で2名の男性が童話「三匹の子豚」を、本来の発表されている童話ともう一つの狼の立ち場に立った童話に作り変えて紹介があった。子豚を食べた狼が悪者になって描かれているが、狼の立場からこの話を再構築すると、狼の主張が正しく聞こえてくるのだった。
 その後でグループ別にそれぞれの童話を選んで話し合うことになった。私たちのグループでは「舌きりすずめ」だった。童話では傷ついたすずめを救って連れ帰ったやさしい爺様と、そのすずめの舌を切った意地悪な婆様の話だった。昔聞いたことのある話ではあるが、こうしてもう一度読み返してみると、詳細な部分が記憶から外れていたことが良く分かる。
 爺様…山で仕事をするのが好き。婆様からいやみを言われても口答えもしない。やさしい気性で、すずめを救った。舌を切られたスズメを追って山に入り、スズメのお宿を見舞った。そして大小二つのつづらを土産として提示され選んだのは小さいつづら。中から宝物や着物の反物がざくざく出た。

 婆様…爺様が傷ついたすずめを家に連れ戻ったことに怒りをあらわにする。爺様がいない時に、すずめに餌をやらないで、お腹のすいたすずめは婆様の洗濯用の糊をみな食べてしまう。そのために婆様は怒ってすずめの舌を鋏で切ってしまう。すずめは悲しんで家に帰っていった。
 すずめからのみやげ物を提示されたときに爺様が大きいつづらを選ばずに、小さいつづらにしたのに腹を立てて、大きいつづらを取りにすずめのお宿に行った。

 この話を意地悪だといわれる婆様の立場に立って考えてみようということになった。その結果は?

  ①家計が苦しくなっている原因は、爺様が家を省みずに人に親切にした結果。
  ②すずめというのは鳥のことではなく、若い女のことではなかったか。
  ③婆様が意地悪になったのは、爺様が昔から爺様が女遊びをして来たことが原因。
  ④この夫婦は昔子どもが出来たが、貧困のために子どもをなくしたことがあったのではないか 。もしくは子どものできなかった夫婦の話ではないのか。そのために、若い女の子を家に連れ帰って親切にするその爺様の姿が憎くてたまらなかったのではないか
  ⑤婆様がすずめに食事をさせなかったのは、爺様も婆様もぎりぎりの食生活をしていたのではないか。(一日二食)そのために、婆様は洗濯用の糊を全部食べてしまったすずめが許せなかったのではないか。
  ⑥爺様の格好だけ良い生き方が、婆様には許せなかったのではないか。なぜ大きいつづらと小さいつづらのどちらかを選べといわれて、小さいものを選ぶのか婆様にはわからな生活苦があった。
  ⑦すずめも性悪女である。いくら怪我をして連れて行かれたからといって、それに甘えられる家ではなかったのが何故分からなかったのか
 こんなことを話し合い、婆様だけが悪かったのではないという結論が出た。

 このように一方的な見方をしていては、そこから誤解が生じてしまうので、双方の意見を聞くことや、その立場に立って問題を考えてみることが大切だということになった。  

 

ベンセ湿原

2007-07-01 10:11:53 | 一歩二歩、散歩~横道
 6月29日(金)朝から久しぶりの雨降りの日だった。
 カミさんも私も休みであることに気づき、急遽ドライブに出かけることにした。行き先は「ベンセ湿原」。ベンセ湿原といえば、ニッコウキスゲなどで有名なところだ。


インターネットでさっそく調べ、次にコピーしました。

 ◎ベンセ湿原てどんなところ?
 青森県西北部に位置するつがる市木造(きづくり)には、日本海側沿岸部に屏風山砂丘地域があり、七里長浜に沿って松の防風林と内側にはカシワの自然林が連なっています。
 周囲には無数に点在する大小の湖沼があり、その中で平滝沼、大滝沼、ベンセ沼に囲まれた湿原がベンセ湿原です。

 ベンセ湿原は、標高約20メートル、面積約20ヘクタールの広さの津軽国定公園を代表する湿原のひとつで、低層および中間層湿原(苔状が幾層も重なっている)です。
 湿原は、6月頃からニッコウキスゲの群落で黄色に彩られ、7月にはノハナショウブの群落で紫色に彩られます。
 また、湿地性のラン類や高層湿原でなければみられないモウセンゴケなどもみることができ、学術上貴重な湿原植物の宝庫といわれています。さらに、アマガエル、ツチガエルなどの両生類、オオセスジイトトンボなどの昆虫類も多くみられ貴重な鳥類であるオオセッカの繁殖地ともなっています。 

 海岸のすぐそばにこのような湿生植物群が存在するのは大変珍しく、北海道の北東部と本州ではこの屏風山一帯の湿原に限られています。
 環境省の日本の重要湿地500にも、屏風山湿原池沼郡(平滝沼、ベンセ湿原、コケヤチ湿原など)として選ばれています。

 しかし、近年、地下水や天候などの関係で湿地特有の植物は数が減ってきており、湿原の乾燥化を懸念する専門家の声もあります。
 太古より続く自然を後世まで残していきたいものです…。

 以上が概観の紹介です。

 さて、ほぼ自宅から小1時間でベンセ湿原に到着しました。道路は直線で、両サイドには水田のほか、この地域では有名な屏風山スイカやメロンの苗が今ビニールをかぶってすくすく育っているようでした。またジャガイモが白い花をつけて一面に広がっていたり、麦畑でしょうか?黄色い麦の穂が鮮やかでした。このエリアには湖沼がたくさんあって、ジュンサイの栽培も盛んなようです。ベンセ湿原の入り口には看板があり、直ぐにわかりました。
 生憎の雨降りでしたが、カミさんと二人で傘を差しながら湿原を歩くことにしました。駐車場に車を停めて降りると、おじさんがテントの中で斜光器式土偶の焼き物を作りながら、湿原の案内も行なっていました。コヨシキリの「ギョッギョッギョッ」という鳴き声があちこちから聞こえ、うぐいすも鳴いていました。広大な湿原はニッコウキスゲが姿を消して、今を盛りに「ノハナショウブ」が一面に咲いていました。湿原の順路を示すのは木道で、二本湿原にめぐらされていました。ノハナショウブなどの葉が雨で濡れていて、ジーンズのすそが塗れて冷たく感じましたが、歩行者も少なくて気持ちのよい開放感がありました。途中の順路脇に生えていたのはカシワの木の群落で、毛虫が繁殖していました。その柏の木に混じって山桑の大木があり、ちょうど桑の実が赤や紫色に色づいていました。早速いたずら心で、桑の実を食べてみました。甘くて懐かしい独特のフルーツ感がありました。
 私が美しいと思って撮影したのが、この「ミズチドリ」というラン科の花で、ジャコウ千鳥の別名があるようです。トンボなどの関心のある人は良くこの付近に足を運ぶということを聞いていましたが、さすがにこの付近の沼地の数の多さを見ればうなづけるものがありました。生憎の雨でトンボの姿は見えませんでしたが、きれいな蝶々が姿を見せてくれました。雨降りの一日でしたが、気持ちはすっきりと爽快感に包まれていました。
 もう一度今度は晴天の日に足を運んでみようと思った場所でした。