山椒図三所物 古金工
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山椒図三所物 古金工
山椒もまた薬でありスパイスであり、筆者は舌がしびれて味が分からなくなるので苦手だが、好んで料理に用いる人も多い。この三所物は、「山椒与右衛門」との言い伝えのある室町時代末期の京都の金工の作。この呼び名があるように山椒の図を得意としたそうだ。拡大目貫写真を見てもわかるように、かなり精巧である。古金工の時代、もちろん銘は遺されていないのだが、このような優れた三所物を製作した職人があったことを考えると、古金工と言って、銘がないからと言って、低い評価はできないだろう。幹は素銅、地を這うように意匠され、美濃彫のようにくっきりとした高彫描写からなる葉の様子、艶々とした種の様子、その実の表皮に施された微細な点刻が特に精密で質感描写に役立っている。総てが魅力的だ。下は「美濃」と極められている山椒図目貫。金無垢地容彫。古美濃の雰囲気を充分に湛えている。
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山椒図三所物 古金工
山椒もまた薬でありスパイスであり、筆者は舌がしびれて味が分からなくなるので苦手だが、好んで料理に用いる人も多い。この三所物は、「山椒与右衛門」との言い伝えのある室町時代末期の京都の金工の作。この呼び名があるように山椒の図を得意としたそうだ。拡大目貫写真を見てもわかるように、かなり精巧である。古金工の時代、もちろん銘は遺されていないのだが、このような優れた三所物を製作した職人があったことを考えると、古金工と言って、銘がないからと言って、低い評価はできないだろう。幹は素銅、地を這うように意匠され、美濃彫のようにくっきりとした高彫描写からなる葉の様子、艶々とした種の様子、その実の表皮に施された微細な点刻が特に精密で質感描写に役立っている。総てが魅力的だ。下は「美濃」と極められている山椒図目貫。金無垢地容彫。古美濃の雰囲気を充分に湛えている。
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