鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

加藤清正虎退治図大小鐔 柊屋 Hiiragiya Tsuba

2020-05-13 | 鍔の歴史
加藤清正虎退治図大小鐔 柊屋


加藤清正虎退治図大小鐔 柊屋

虎は、我が国で知られている獣の中では最も強い存在であるとの認識が根底にあるのだろう。それ以前は、霊獣、神獣として、古墳時代の認識まで遡るようにも感じられる。実際に生きている虎を見ることのない我が国の絵師は、大陸伝来の絵画や毛皮からその実体を想像していたのであろう。それが故、猫のように見えると評価される虎の図がある。戦国時代には、朝鮮へと出兵した部下の武将の志気を高めるために加藤清正によって行われた虎退治伝説が知られているように、朝鮮半島へと渡った人々は生きた虎を実際に見ているかもしれない。確かに装剣小道具においては、室町時代末期の後藤乗真と伝える作があるのだが、虎の図が盛んになるのは光乗や徳乗の活躍した桃山時代辺りからである。


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