鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

竹林に猛虎図鐔 薩摩 Satsuma Tsuba

2020-06-05 | 鍔の歴史
竹林に猛虎図鐔 薩摩


竹林に猛虎図鐔 薩摩

薩摩金工がこの図を得意としたことは先に紹介した。耳を竹で意匠し、これを踏み歩く猛虎の図であった。この鐔では湖水に竹林を背景とし、探るように竹を踏み歩く様子を描いている。精巧で精密な虎の姿ではないが迫りくるものがある。背をまるめて首を下にして鋭い目つき。獲物を狙う姿であろう。高彫、肉合彫、鋤彫、象嵌、様々な手法を用いている。薩摩の武士は、示現流という特殊な剣術を専らとしている。ごっつい刀を用いて一撃で断ち切る。そのため重い刀を扱えるように肉体改造行う。拵は簡素で、鐔は邪魔にならないよう刀身に比較して小振りなものを使う。それがためであろうか頗る人気が高い。


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