鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

霊芝図鐔 皆山應起 Masaoki Tsuba

2019-12-28 | 鍔の歴史
霊芝図鐔 皆山應起


霊芝図鐔 皆山應起

 毒キノコの見分けは難しい。と言うより全くわからないものがある。一方で自然の産物として薬功が認められているキノコもある。キノコの中でもサルノコシカケや、霊芝のように固くて通乗の食用にならないものがある。そのような、霊力を持つと考えられていたキノコを題材とした鐔である。赤銅一色で彫口は深く立体的。カサの裏側の描写などもこまやか。時代がぐっと降るが、皆山應起は江戸末期の京都の名工。
 筆者が子供のころ、両親と志賀高原へ遊びに行った時のこと。キノコの時期であった。宿泊した宿で、同じ宿をとった名も知らぬ方が、ベニテングタケは猛毒だが、干しておけば食べられる、と教えてくれた。翌日、一袋ほど毒々しい色合いのベニテングタケを採って家に帰った。言われた通り庭に広げ、天日に晒しておいた。もちろん食べられると信じていたし、食べるつもりであった。ところが筆者は、干してあるキノコの周囲にたくさんのハエが死んでいるのをみつけ、ちょっと待てよ、と疑ってみた。母にそれを伝えると、母も疑問を感じ、結果、ベニテングタケは食べなかった。だから今生きているし、こんな話もできる。


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