波千鳥図鐔 赤坂忠重
波千鳥図鐔 赤坂忠重
江戸時代下って中後期に至ると、赤坂鐔の意匠もここまで風景の文様化が極まる。なんて面白いんだろう、と飽かずに眺めてしまう。忠重自体が、古作に紛れるような鐔を製作していると同時に、独創性に富んだ新趣の作をも生み出した名人である。そもそも、透かし鐔で説明したように、透かしという意匠はかなり主題を略して草体化させる必要がある。心象的表現であったり、文様化が進むのは普通に起こるだろう。だが、この鐔の文様化は面白い。同時代の絵画と比較してみないと判らないが、この波千鳥は、あるいは世の流行であったのかもしれない。
波千鳥図鐔 赤坂忠重
江戸時代下って中後期に至ると、赤坂鐔の意匠もここまで風景の文様化が極まる。なんて面白いんだろう、と飽かずに眺めてしまう。忠重自体が、古作に紛れるような鐔を製作していると同時に、独創性に富んだ新趣の作をも生み出した名人である。そもそも、透かし鐔で説明したように、透かしという意匠はかなり主題を略して草体化させる必要がある。心象的表現であったり、文様化が進むのは普通に起こるだろう。だが、この鐔の文様化は面白い。同時代の絵画と比較してみないと判らないが、この波千鳥は、あるいは世の流行であったのかもしれない。