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日米を問わず名選手を紹介。

和田毅投手の今シーズン(2)

2012-03-21 13:44:09 | Weblog
前回触れました様に、和田毅投手には、ローテーションを1回飛ばすとか、少し登板間隔を空ける起用法をしてあげれば、より彼の力が発揮出来る様な気がします。特に故障がなくとも、27,28試合位までの先発が望ましいかと思います。体格だけで判断しては、いけないのでしょうが、慣れないメジャーという事もあり、1シーズンフルに働くのは困難かと思い、慎重な起用法を望みたく思います。彼の球速はメジャーでは、どう贔屓目に見ても速いとは言えないレベルです。しかし球の切れ、伸びにはその球速を補うものがあります。又チェンジアップ、スライダーの切れは鋭く、メジャーのパワー溢れる打者は、思い切って振って来る傾向にありますので、好調時にはかなりの割合で空振りは奪えるかと思います。しかし、如何に腕の振りが見えにくいとはいえ、基本的に球速はない為、少しのコントロールミスと軽い球質が失点に繋がる可能性は、威力ある球を投げ得る投手とはかなり違っているかと思います。従って防御率は4点前後、22、23試合の勝敗に絡むような気がします。最少で8勝、最多で13勝、残りの数字が敗戦という事になろうかと予想します。

ウラディミールゲレーロ(Vladimir Guerrero) (1)

2012-03-20 21:27:50 | Weblog
現在松井秀喜やジョニーデーモンと同じく、今年の去就が決定していない選手です。しかしメジャー16年間での実績は素晴らしすぎるというか、物凄いものがあります。彼を初めてテレビで観たのは2001年、イチローがメジャーデビューした年でした。当時ナリーグ、モントリオールエクスポズに在籍し、ライトを守っていました。彼の印象としては、正しく化け物というか怪物というか、それ以外の表現はあり得ない様な選手でした。かって日本プロ野球では中西太や尾崎行雄が怪童と呼ばれていましたが、彼らを観る前からその様な表現をされていた事を知っていた事と、中西太に就いては、本当の意味の全盛期は観ていない事もあり、もう一つ驚きはしないものでした。しかし殆ど先入観なしにゲレーロを観た時には、こんな選手が存在する事が信じ難く、メジャーと日本との差を痛感したものです。その頃はバリーボンズ、サミーソーサ、アレックスロドリゲス、ジェイソンジアンビ、マニーラミレス等を代表として強打者は多くいたのですが、ゲレーロ程の人間離れした感じはありませんでした。前述の彼等は確かに素晴らしいのですが、技術にも優れているのに対し、ゲレーロは場合は何も考えずに、極端に言えば本能のみで野球をしている様な感じがしてなりませんでした。

和田毅投手の今シーズン(1)

2012-03-19 22:19:30 | Weblog
先日MLBTVの申し込みをして、今シーズン、ライブ或いはオンディマンドでメジャーリーグ全試合観れる環境が一応整いました。今日、和田毅投手のスプリングトレーニングの初登板を観ました。2イニングを投げ1失点ですが、少し故障をしていた事を感じさせない投球で、日本時代と同様、遅れて出て来る腕、球の隠し方の巧さを感じました。ストレートの最速は90マイルと、日本時代の球速とほぼ変わらない球速が出ていたかと思います。現在ダルビッシュ有には、メジャーのマウンドへの適応に若干苦労している感じは受けましたが、和田毅の今日の投球を観る限り、適応に苦労している様には思えませんでした。では今シーズン、どの位の成績を挙げられるのでしょうか?最大のポイントはスタミナかと思います。公称180cm、77kgとメジャーの投手では身長、体重共最も小柄な部類に入る体格と、日本時代主に中6日での登板から、中4日の登板に耐えうるかどうかが、最大の問題かと思います。彼の所属チーム、ボルティモアオリオールズの投手力は、決して優れていないチームの為、通常に行けば彼の力なら、ローテーションから外れる事はないかと思います。しかし、ほぼ年間を通して、ローテーションを守り切るスタミナがあるかどうか、結構疑問ではあります。

ほぼ全盛期に引退した投手(池永正明) (17)

2012-03-18 10:23:34 | Weblog
前回比較の対象として、名前を挙げた6人の投手はいずれも素晴らしい投手です。しかし一応投手の最初のターニングポイントは、入団6年目以降にあろうかと思います。5年間で100勝前後の勝ち星を挙げる投手は、当然かなりのイニングを投げている訳であり、そのせいもあり球威や投球術に変化が見られる時期であります。6年目から10年目までの5年間で、入団から5年目までの勝ち星を上回っているのは金田正一しかいません。実にこの5年間で134勝と圧倒的に数字を増やしています。彼は高校中退の為、他の投手より若い年齢で迎えられたという要素もあるかも知れませんが、流石大投手という所でしょう。彼に次ぐのは2勝減の米田哲也投手で、他の投手は軒並み数字を落しています。但し稲尾和久は勝ち星を落したとは言え、108勝を挙げており、矢張り投手として抜群の力量を示していました。ある意味勢いだけで勝てた時代と異なり、真の意味での実力が計られるのが、入団6年目以降と言っていいかと思います。次回その時期に、急激に力を落した2人の投手を参考にして、池永正明200勝不可能と言及した根拠に触れたく思います。

ほぼ全盛期に引退した投手(池永正明) (16)

2012-03-17 09:46:20 | Weblog
池永正明は入団5年間で99勝、翌年永久追放されるまでの短い期間で4勝を挙げ、通算勝ち星は103勝になっています。二リーグ制以降、高卒(中退も含む)投手で、入団5年間の通算勝ち星が、彼を上回っているのは、139勝の稲尾和久、106勝の梶本隆夫、100勝の金田正一しかいません。又同じ勝利数に鈴木啓示、少し下に93勝の米田哲也、88勝の江夏豊がいます。あえて高卒投手としたのは、大卒との4年間の差は、特にこの時期に最も速い球を投じていた投手が多い事と、大卒投手で200勝以上を挙げているのは村山実しかいないという理由からであります。名前を挙げた投手で彼と同数、或いはそれ以上の勝ち星を挙げた投手はいずれも250勝以上を挙げています。又彼より勝ち星で劣る米田哲也は350勝、江夏豊は206勝ながら、途中からリリーフ専門になり193セーブを挙げています。当時、彼が永久追放されなかったら、5年間で99勝、その時点で23歳、一応15年から20年近くの実働を考え、力の衰えた晩年の数字を考慮したとしても、200勝はおろか300勝も可能と、当時の選手達や評論家が予想したのも、数字的には充分頷けるものではあります。

ほぼ全盛期に引退した投手(池永正明) (15)

2012-03-16 13:01:41 | Weblog
若くして野球界を去らざるを得なくなった選手に対しては、同情とほぼいい時期しか見ていない事もあり、前回触れました様に評価が高くなる傾向は強いものと思います。従って多くの選手が口にした、池永正明は200勝以上、300勝も可能との発言は多少割り引いて考えるべきかと思います。では実際に永久追放されず、球界に残ったとして、彼の通算勝ち星はいくつまで伸びたのでしょうか、私は良くて150勝から170勝、悪くて120勝から130勝と予想します。その根拠としては、矢張り昭和44年の肩か肘の故障を思わせる投球にあります。あのマウンドでの仕草を見ていると、どうしても一時期のみの痛みとは思えない感じでした。近鉄バッファローズの主砲、土井正博は(オールスターゲームで池永正明の裸を見た時、右肩に大きな膏薬が貼ってあり、肩はかなりやられていたかもしれない)と後に発言しています。土井正博程の優れた打者が、もし池永正明の当時の投球に異常を感じていなければ、前述の様な発言はしなかった様に思ってしまいます。従って44年の彼の投球はどの投手にもある、シーズン毎の好不調の波ではなく、故障の影響により球威が落ちたものと思います。翌45年約1ヶ月程投げましたが、その時の球威もかってとは違うものでした。

松井秀喜の去就 2012

2012-03-15 11:07:01 | Weblog
ロサンゼルスドジャースが、ツープラトンシステムでの先発や代打要員として検討中という報道はありますが、現状今年の所属先が決定していません。以前にもこのブログで、最終的にはアスレチックスに残留と予想しましたが、その時点では、どの球団に決定するにしても、2月中には決まるだろうと思っていました。正直この時期に、未定とは全く思いませんでした。力が落ち、守備力に欠けるベテランに対して、メジャー各球団の対応に、物凄く非情さ、冷たさを感じてしまいます。現在の力量云々は別としても、松井秀喜より遥かに年数が多く、実績も優れているジョニーデーモン、ウラディミールゲレーロへの対応にも同様の冷たさを感じています。ドジャースを含めて、今後オファーがあったとして、メジャー契約でも、多分最低年俸の48万ドルから高くて100万ドルクラスに買いたたかれるか、マイナー契約の可能性もあろうかと思います。契約年数は当然1年になろうかと思います。日本と比較して、過去の実績や貢献は無視し、現在の実力のみで判断すると思われるメジャーがいい条件を提示する理由はないのが、現状の松井秀喜なのでしょう。しかし彼の力がそこまで落ちているのでしょうか?私にはそうとは思えません。確かに、ヤンキース時代の様に280以上の打率、20本塁打以上、100打点以上稼ぐ力は、もう残っていないかと思います。しかし、昨年常時出場する様になってから示した数字に近いものを残す力はまだあるものと思います。特に打線の弱いチームでは、十分に戦力になろうかと思います。どんな契約であろうと、メジャー松井秀喜を今年も観たく思っています。

ほぼ全盛期に引退した投手(池永正明) (14)

2012-03-14 21:14:51 | Weblog
池永正明擁護と思われる執筆は結構多いものでした。そこに記されている当時の現役選手や評論家たちの意見として、上は通算300勝以上、多くの人が200勝以上は可能と述べていた様な記憶があります。この様に彼が高い評価を受けるには、素晴らしい投手という事実以外の理由も潜んでいると思います。一つは日本人特有(?)の、若くして野球を離れざるを得ない選手への同情があると思います。一応そのシーズンでのNO.1投手に与えられる賞として、沢村賞があります。伝説の投手ですが、戦争に召集され、一度戻って来たときは既に過去の球威の面影はなかったと言われ、事実成績もかなり落ち込んでいます。その後再び召集され戦死したのですが、もし彼がそのまま日本にいて、じり貧の成績で終わったとしたら、果たして沢村賞というタイトルが生まれたでしょうか、甚だ疑問であります。津田恒実という今年殿堂入りした投手も、若くして病魔に襲われ、その後、2年と少ししか生きられませんでした。相手打者がストレート狙いと解っていても、敢えてストレートで勝負する等、本当に観ていてわくわくする投手でした。しかし、彼がプロ野球から去った(去わざるを得ない)理由が病魔以外の死、例えば交通事故死だとしたら、あの実績で殿堂入りしていたのでしょうか?どうしても疑問に思えてなりません。つまり若くして野球界から去らざるを得ない選手に対しては、かなりの同情が、その発言に入るのは間違いないと思います。もう一つ見逃してならないのは、その選手のほぼ全盛期しか見ていない側面があるという事です。多くの名選手たちは、かなり力の落ちた状態を見せつつ引退していくのに対し、彼らは落ちぶれた姿を見せてはいない訳です。

ジャマールウイークス(Jemile Weeks)

2012-03-13 14:01:26 | Weblog
昨年6月、メジャーデビューを果たし、その後大活躍したオークランドアスレッチクスのセカンドです。規定打席数こそ達していませんが、下記の様に素晴らしい成績を挙げ、現在25歳という事もあり、今年のレギュラーの座は不動のものと思われています。この選手の最大の特長は脚の速さです。兎に角、次の塁を狙いたいらしく、試合状況にはあまり関係なく、猪突猛進と言っていいのでしょうか、自慢の脚を見せつけたいかの如く走り回っている印象が、物凄く強いものです。彼の走塁を見ていると、日本人選手には見られない身体能力を感じます。しかし未だ成長途上なのでしょうか、盗塁の際でも、脚の速さに頼り過ぎで、細かな技術は整ってない様に思えました。打撃に関しては、昨シーズンこそ素晴らしい成績ですが、粗さもあり、相手投手も警戒を深めて来る今シーズン、0.280以上をマーク出来れば上出来かと思います。もしこの数字をクリアー出来れば、充分盗塁王争いにも食い込んで来るかと思います。守備もまだ粗さが残りエラーが多いのですが、もし守備に負担がある様でしたら、彼の才能を活かすべく、肩はあまり強くはないのですが、外野手へのコンバートを考えてもいいかと思います。全く優勝争いとは関係ないとしか思えないアスレチックスの戦力ですから、彼の将来を考えての起用を希望したく思います。




  123G試合    406打数123安打    0.303    2本塁打     36打点     22盗塁





ほぼ全盛期に引退した投手(池永正明) (13)

2012-03-12 22:27:24 | Weblog
前回触れました様に、池永正明投手は、球威だけで勝負する投手ではなく変化球にも優れ、抜群の制球力、投球術を利した投球の可能な、所謂コンビネーションに秀でている投手と言えると思います。当然投球内容は単調ではなく、安定感には素晴らしいものがありました。その当時、同じ様な安定感を誇る投手と言えば、変化球の種類こそ少ないものの、江夏豊が浮かぶだけかと思います。池永正明に似たタイプの投手として、多くの人が彼の先輩、稲尾和久を挙げています。池永正明が入団した昭和40年、稲尾和久はもうかっての鉄腕投手ではなく、前年は肩の故障の為、殆ど登板出来ず、人生初の0勝に終わっています。当然8年連続の20勝以上も、前年途切れています。40年には、流石大投手稲尾和久、13勝を挙げ、それなりにカムバックしたのですが、もはや往年の稲尾和久の力とは程遠いものでした。従って残念な事に、新旧の素晴らしい投手二人揃っての活躍は、ありませんでした。池永正明の高校時代の投球は観ていないので、断言は出来ないのですが、球威が明らかに落ちたとは言え、大投手稲尾和久から学んだ点は、同じチームに在籍していただけに多かったものと思います。違う見方をすれば、かっての力のない稲尾和久だからこそ、より学ぶべき点は多かったとも思ってしまいます。