先月11月24日、かって甲子園を沸かせた池田信夫投手がお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈りします。昭和43年甲子園での投球を少し振り返りたく思います。決し大きくはない体ながらも、全身バネに満ち溢れたかのごとくの投球フォームから投じられる球は、カミソリの様に切れ味抜群ながらも凄み、迫力も又もの凄く感じさせる本当に生きた球でした。既にプロ野球で活躍していた少し年長の鈴木啓示や江夏豊と比較しても、その若さに溢れた投球フォームの躍動感は彼ら二人を上回っていたかと思います。池田信夫投手はドラフト指名を拒否し法政大学を経て社会人大昭和製紙に進むのですが、甲子園での彼の投球は忘れられず、その動向は常に気になっていました。しかし残念ながら私の知り得る限りもの凄く華々しい活躍はなかったと記憶しています。甲子園でのあの素晴らしい投球からすると、やや期待外れの感は正直ありました。その原因は何か、大学以降の彼の投球は実際見ていないので、ここからはあくまでも推測で書かさせていただきます。彼の全身のバネを利し、もの凄く撓る肘が諸刃の剣になった様な気がしてなりません。昭和30年代シュート主体の投球を見せた大石清や、昭和40年代後半デビューの鈴木孝政の快速球、比較的最近では伊藤智仁のスライダー等、皆抜群の肘の撓りがあったからこそ投げられたかと思います。しかしそれが体に負担をかけ逆に投手生命を脅かしたのではないのかと思ってなりません。違う言い方をすれば、甲子園で見せてくれたあの投球が出来ていれば、その後の活躍はもっと素晴らしいものになっていたに違いないと思えてしまいます。
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ブログを書いてから知ったのですが、今年秋の神宮ガイドブックで池田さんが「神宮春秋」というコラムで自らの法大時代を語っています。
それによりますと、早稲田に強く真っ直ぐとカーブで37イニング連続無失点。けん制アウトが面白いように決まったも語っています。また、大学4年生で肩を壊して痛み止めの注射を打ってマウンドに上がった。自分は体が硬く故障しやすかった、大昭和に行ってもそれに悩まされたとあります。もし、4年生の時の不調が無ければプロ入りしていたのではないでしょうか。
長々、失礼しました。