江川卓投手の球速（１）

昭和48年、夏の甲子園での江川卓投手に対する評判、特にその球の速さに対する評価はもの凄いものがありました。普段はプロと比べて矢張りレベルが違い過ぎる高校野球はあまり見ないのですが、この時ばかりは非常に注目して彼の登板を見ていました。確かに比較的小さ目のバックスイングから投じられる彼の球は、伸びや切れにも凄いものがあり、高目にホップしてくる様に食い込んで来る球には、高校生離れと言うか、高校生ではなかなか打ち込めない程の威力を感じました。それ以前或はそれ以降も評判通りではないと言うか、あまりにも評判とはかけ離れた球の速さの投手が多いものでしたが、流石にそれらの投手達とはものが違うという印象を受けました。間違いなく即プロでも通じる投手と思ったのですが、あまりにも前評判が高すぎた為か、彼の投じた球には今一つ速さというか驚きを感じる程の強い印象を受けませんでした。後に甲子園での江川卓投手の球速は、その後の大学時代、プロでの時代より球速は優れていると言う記事が多い様に思いますが、その当時の彼の球の速さがそこまで優れているとは思えませんでした。