totoroの小道

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「なぜ」にこだわると、おもしろい

2008-04-23 05:15:32 | 国語

6年生が国語の「カレーライス」の授業をしていました。明日、このクラスは研究授業を行います。大問題はすでに決まっています。しかし、まだ大問題の段落まで勉強が進んでいません。ですから、この時間は、明日取り組む段落の中の問題について、それぞれの考えを持つための下調べに取り組んでいました。

この段落で、子ども達が見つけたおかしいところは、

①お母さんがお父さんの味方に付くのがなぜ悔しいのか?

②なぜ自分が悪いのに「悪くない」と言い切るのか?

③「やだよ。」と言う代わりにそっぽを向くのはなぜか。

④なぜ理由が言えなかったのかです。

一通り自分の考えをもった後、近くの友達と「この問題ってさあ....」と話し合いを始めます。ちょうど先生が通りかかると「先生、私たちここのところ、こう思うんだけど.....。」と呼び止め、先生に自分たちの考えをぶつけてその反応を見ています。

4つの問題のうち、一番おかしな問題は、②なぜ自分が悪いのに「悪くない」と言い切るのか?と板書されています。(他は小問題なのに、これは中問題になっている)

そこで、私は、この問題について彼らがどこまで考えているのか聞いて回りました。

「悪いと思っているのに、悪くないというのは変だ。」と言います。「悪くないと本当に思っているから、『悪くない。』と言ってるんじゃないの?」と聞いてみます。だって、そう書いてあるからです。「でもさあ、ここに、『....は、僕も悪かったんだけど...』ってかいてあるから.....。」と答えます。まだまだ、言葉を根拠に考えていないと感じます。そこで、すこし揺さぶります。「いきなり、『ぼくは、悪くない。』は、変でしょ。何か事件があった後に、『悪くない。』とその理由を言ってるんじゃないの。この前にいったい、何があったの?」

また、教室を回ると、別の子ども達が声をかけてきます。「先生、辞書に『接助』ってかいてあるけど、これ何ですか?」と。そこで「接続助詞といって、言葉と言葉をつなげる助詞だよ。助詞って言うのは、単語と単語の間に入っている「は」「へ」「て」などの普段あまり考えないような言葉のことだよ。」と答えます。

彼女たちがどこにこだわって、辞書を引いているのか興味を持ったので、少し一緒に話しました。

『ぼくは悪くない。だから絶対に「ごめんなさい。」は言わない。』の「だから」にこだわっていました。

「だからをもう一度調べてごらん。」と言ってみました。「後件が、前件の論理上当然の帰結であることを表わす。」と載っています。でも、これは難しい言い方です。「よくわからない...」と言うので、「後半って言うのは「絶対に「ごめんなさい。」は言わない。」のことなんだ。じゃあ前半は?」と聞いてみました。「前半は.....『ぼくは、悪くない。』だ」と嬉しそうに発見します。

「分かった分かった、『悪くないっていう当然の理由で、ごめんなさいは言わない。』という意味なんだ。ぼくは、本当に悪くないって思ってるんだよ。」と話します。

先ほどの子ども達に戻ります。その後、どんなことを話し合ったか探ってみます。「先生、あれから考えたんだけど、ぼくは悪くないの前に、③の段落があると思うんだ。③の段落でコンセントの事件があって、ぼくは悪くない.....」と生き生きと話します。「そうだよね、何にもないときに、急に『ぼくは、悪くない。』なんて言わないよね。よく気がついたね。この段落は時間の流れを見つけることが大事なんだ。でもね、本当に③の後なの?そうじゃないかもしれないよ.....」と話しました。

う~ん、と彼らは、すぐに本を何度も読みながら考えます。「ね、おもしろいでしょ。分からないことが見つかると!!」と聞いてみます。「うん、最初読んだときは、ふ~んと思っただけだけど、おかしいと思うと、何とか知りたくなっちゃう!!」と嬉しそうに答えてくれます。

探求する子ども達が育っています。

 


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