短歌・俳句に親しもうの1時間目
黒板に「いわばしるたるみのうえのさわらびのもえいずるはるになりにけるかも」とひらがなを書いた。
S:短歌だ。
S:短歌を調べてみたんだけど、五七五七七の三十一文字で、喜怒哀楽を読む、日本の昔からの歌。と載っているよ。
S:「いわばしる」「たるみのうえの」「さわらびの」「もえいずるはるに」「なりにけるかも」だね。
S:喜怒哀楽の、喜は喜ぶ。
S:怒は怒る。
S:哀は悲しい。楽は楽しいだね。
S:国語辞典で調べたけど、喜怒哀楽は、人間らしい気持ちのこと。
S:先生、平仮名ばかりだと意味がよく分からない。
T:漢字に直しますね。「石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも」
S:あれ、岩じゃないんだ。
S:石の上を走るように水が流れている。
S:垂水って何?
S:垂水を調べたら、高いところから岩伝いに水が落ちること。
S:滝って載っていたよ。
S:私は、萌えるを調べたんだけど、草や木の芽が出ること。
S:早蕨は、芽を出したばかりの小さなワラビ。
T:蕨って知ってる?
S:うん、食べたことある。
S:おいしいよ。うちは、素早くにて卵でとじる。
S:旅館に行くと、お料理の最初に漬け物みたいに出てくるね。
S:蕨は、シダの一種。春に芽が出て、食べられる。
S:日当たりのよい山に生えているそうだよ。
S:ということは、この滝は、日が当たっているんだ。
T:この短歌を、二つに分けてみよう。どこで切るといい?
「垂水の上のの後」5人
「さわらびの後」15人
「萌え出ずる春にの後」2人
T:作者の喜怒哀楽は、前半と後半のどちらにより強く出ていると思う?
S:後半!!
T:後半のどの言葉に、作者の気持ちが一番込められている?
萌え/出づる/春に/なり/に/ける/かも
S:萌えって「木や草の芽が出る」だから、芽が出たばかりの蕨に感動した?
S:何色?
S:緑じゃないよね。
S:黄緑。
S:いや、黄色に近いんじゃないかな。だって、「さ」がついていて、小さいから。
S:なりは、どういう意味?
S:なったってことだと思うな。春になったよ。
S:今まで、冬だった。
S:先生、「かも」を調べているんだけど、載っていない。
T:じゃあ、私が説明するね。かも、は「~かも知れない」の「かも」でなくて、とっても感動しているっていう昔の言葉だよ。
S:じゃあ、一番、作者の心が込められているのは、「かも」だ。
T:多数決をとってみよう。
萌え 1人
なり 6人
かも 18人
S:感動したんだから、春になったことを喜んでいる。
S:この短歌は、喜怒哀楽の中の、喜について読んでいる。
S:それは、分かったけど、何を喜んでいるの?
春になったこと 8人
蕨の美しさ 9人
芽が出たこと 4人
S:作者ってさあ、その蕨とったと思う?
S:とってないよ。春を見つけに来たんだよ。
S:きれいだなって、見ていただけ。
T:蕨があるかなって見に来たの?それとも、何か春になった証拠がないかなって見に来たの?
S:見に来た。
S:わざわざ山の中まで、春を探しに来て、
S:山の岩まできて、その上に、蕨を見つけた。
S:~あ~、もうやっぱり、春なんだなあって!!
S:この人、それまで外に出てなかった。
S:冬で寒かった。
日時 | 曜日 | 開始時間 | 終了時間 | 施設名 | 場所名 |
2020年9月20日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第1会議室 |
2020年10月10日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第1会議室 |
2020年11月14日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第1会議室 |
2020年12月5日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第1会議室 |