
長野県と県境を接する小さな村落で、
旧正月の18日に今年も春を告げる西浦田楽が行われた。
縁あって毎年お囃子として参加している。
祭りにとって今年は特別な年だ。
長年この祭りを支えてきた別当が交代したのだ。
1300年の歴史を数える田楽において
おそらく幾度も繰り返されてきた光景のはずであるが、
私にとっては始めてのことだ。
不安もあるが、新しい時代の幕開けだという期待も大きい。
ここ数年能衆の代替わりが進み、田楽を支える若者が多くなった。
今年はなおさら多かった。
新別当を囲んでの話し合いで、
長男だけでなく、能衆の家族皆で盛り立てていくことが決まったからだ。
若者が先輩の舞を身近でじっと見て学ぶ、
若者の舞を親や兄が腕を組んで見守る、
時には傍らで手振り身振りで指示する。
そんな光景が多く見られた。
この先何十年この祭りがこうして続き、安泰であることをを感じた。
どんなに厳しい寒さの冬でも、不思議とこの祭りを境にめっきり春めいて行く。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます