とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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阪神戦観戦記in大阪ドーム(4)

2005年06月29日 21時51分19秒 | 音楽・演劇・演芸
同点のまま、7回裏の攻撃を迎えた。
ジェット風船飛ばしの時間だ。

私たちは当然のことながら7回の表の早い段階からジェット風船を膨らませはじめた。
中日の攻撃など、一瞬にして終るだろうと思っていたからだ。
しかし、過去に一度、一瞬にして終るだろうと思っていた7回の表の攻撃が延々30分以上続き、逆転されてしまうという屈辱も経験したことがあるので油断は禁物だ。

「あ~~~~、こんなんあり~」
とA君が叫んだ。
一瞬、「やられたか!」と思ったが、違った。
A君は指先を上に向け、ぼやいているのだった。
私たちの座席は先述したように内野上段席最後部。私たちの後ろは壁だった。そして上はと見ると三メートル上ぐらいに天井があったのだ。
こんなことは甲子園ではありえない。
ジェット風船を垂直に飛ばすと大阪ドームの天井に当たってしまうのだ。スプリンクラーヘッドが忌々しい。いや正確にはこの天井は、上にあるVIPルームの床下に当たるのだ。
なんてことだ。
つまりA君は、
「ジェット風船、どこ向けて飛ばしたらええねん!」
という叫びを上げたのだった。
甲子園がいつも満員になるのに大阪ドームが満員にならないのは、こういう細かな点の配慮に欠けているからではないかと思った瞬間だった。やはり大阪市職員はアホなのだった。

風船を前方に向けて飛ばし、釈然としないままタイガースの攻撃を迎えた。
「えっ! うそー!、前のあの子ら、川藤応援してるやん」
数列前方を見ると左手に「川」、右手に「藤」のプレートを持って応援している中学生か高校生らしき女なの子二人組が、キャピキャピ応援しているのだった。
だいたいいつの頃から阪神の応援にこういうアイドル追っかけみたいな女の子連中が加わるようになった。
このときの彼女たちも、白い応援着に川藤のプレートを振りながら、キャッキャッしているのだ。
「みやげたもんやな。あんなに若いのに川藤の応援してるで」
「でも、川藤なんか、もう20年も前に引退しとるで」
彼女たちの横には「背番号31 KAKEFU」のユニホームを着ているオヤジが声を張り上げて応援していた。
「あ、あのオッサンが、あの子らの親かもわかれへんね。川藤、教育してんちゃうの」
などと私たちは話していた。
すると一番若手のA君が言った。
「あの~、あれ、川藤、ちゃいますよ。藤川、ちゃうんですか?」
「なに、藤川」
どいつもこいつもアホ揃いの私の課である。
確かにグラウンド側から見れば「藤川」である。
おっちゃんらを惑わすようなややこしい応援すな、と言いたい。

つづく

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