とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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ドリームガールズ

2007年02月19日 21時07分49秒 | 映画評論
公開初日の1回目の上映で残念ながら劇場内は3分の1の入り。
つまりガラガラ。
土曜の朝一番なので仕方がないといえば仕方がない。
「洋画人気に翳り」なんてニュースを耳にしてるから、若干寂しさなんかも感じたものの、CMと予告編に引き続き本編の映画が始まった途端、そんな陰気な気持ちは吹き飛んでしまった。

終演後、3分の1しか客がいなかったにも関わらず、シネマグッズを販売する売店のCDコーナーには数人が群がり、サントラCDを買い求めていた。
私も猛烈に買いたかったのだが映画館で買うと定価になるので、そこは我慢して帰宅してからインターネットショッピングで購入した。

それほど映画「ドリームガールズ」はノリノリで迫力満点、ストーリーの骨格も、役者の演技も光っているR&Bミュージカルの傑作なのであった。

冒頭から始まるライブオーディションのシーンですでに観客の目は画面に釘付け。
上映開始後5分もしたら、その世界にどっぷりと嵌り込み、映画を観ているというよりも上質の舞台を観賞しているような気分にさせられるのだ。
1曲1曲が魅力で溢れ、物語のキーとなる楽曲が終ると映画であることを忘れてしまい、思わずスタンディングオベーションを捧げようと立ち上がってしまいそうになるほど迫力があるのだった。

魅力は音楽ばかりではない。

レイ・チャールズの伝記映画でアカデミー賞を受賞したジェイミー・フォックスはもちろんのこと、主演のビヨンゼ・ノウルズの美しさに魅了され、新人ジェニファー・ハドソンのずば抜けた歌唱力と演技力に感動し、ベテラン喜劇俳優エディ・マーフィの渋い演技力に意外性を感じ、そこらじゅう一杯に出演者達の魅力が輝いている映画なのだ。
ちなみにハドソンとエディは来週発表のアカデミー賞男女助演賞にそれぞれノミネートされている。

真直ぐにいかない人生の何かをも感じさせてくれる。
そんな奥深さを備えつつ、本格的な楽曲で感動し楽しませてくれる本作はこの春一番の作品だ。

~「ドリームガールズ」2006年 パラマウント映画&ドリームワークス~