とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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台湾新幹線の乗車体験記(12)

2007年02月08日 20時35分50秒 | 旅(海外・国内)

満席のはずの台湾新幹線。
しかし私の隣のA席とB席は空いたままだ。
おかげさまで、私はC席という通路際の、どちらかといえば余り好きではないポジションを割り当てられたにも関わらず、窓から遠慮なく景色が見られることになった。
これもフランス製座席予約システムを導入した弊害の1つなのだろう。
空席のまま満席として走らせるのはもったいない。
でも、私はこういうのは大好きだ。

東海道新幹線を利用している時も、私は隣の座席が空いていると非常に嬉しい。
仕事を済ませて東京駅から新幹線に乗り込むと、すでにクタクタ。
できれば新大阪まで広々と乗って帰りたいもの。
たいてい私は東京駅のホームの売店でサッポロ黒ラベル500ml缶を一本と箱館スルメを一袋買い求めて新幹線に乗車する。
缶の栓は出発するまで開けない。
なぜなら、東京の夜景を眺めながらビールをシュパッと開栓し、グビグビと飲むのが、なんといっても美味いのだ。
とりわけ隣の座席が空いていると思いっきりリラックスできるのでビールの味もひとしお美味く感じられる。

ところが、品川駅という中途半端な駅が開業してから事情が少々変わった。
というのも、東京駅出発時は空席でも、品川駅でぞろぞろと大勢の乗客が乗り込んでくることが少なくなく、
「なんや、せっかくゆっくりと帰れると思とったのに」
と失望することが増えてしまったからだ。
かといって品川駅に止まらない「のぞみ号」に乗車したりすると新横浜なんぞに停車したりするので、状況はもっと中途半端になってしまうので、思案のしどころだ。

ということで、今は品川駅を出発するまでビールの開栓は我慢することにしている。

以上、長い余談。

で、私は台湾新幹線の乗車の際。ビールを買おうかどうしようか悩んでいたのだったが、いくら台湾といえここは外国なのでいきなりビールというのも顰蹙をかうかも知れないと思い、買わずに乗り込んだのだった。
それに私は次の桃園駅までの14分間しか乗車しない。
ビールの購入など無駄遣いなのであった。

列車は当たり前だが「のぞみ号」と同じ走行音を立てながらスピードをグングン上げている。
暫くすると地下から出て来て周囲の景色が見えるようになってきた。
と同時に車内アナウンスが始まった。
チャイムも当然のぞみ号とは異なっていたが、なにやら同じような調子の曲なのであった。
これまた新幹線らしいチャイムだ。

チャイムに続いて女性アナウンスが流れはじめた。
ゆっくりと話す口調はJR新幹線のそれと同じ。
声質も似たような感じ。
しかし、私にはそのアナウンスがさっぱりわからなかった。
なぜなら、そのアナウンスは台湾語だったからだ。

長い台湾語のアナウンスが流れた後、すぐに英語のアナウンスが流れはじめた。
そのアナウンスを聞いて、またまた私はビックリしたのだった。
またまたなぜなら、そのアナウンスは「のぞみ号」の英語アナウンスと同じ声質で、一ヶ所だけを除き同じ文面であったからだった。
つまりJRのぞみ号の場合は、
「Welcome to Shinkansen, this is NOZOMI superexpress bound for Tokyo」
などと言うところを、
「Welcome aboard, this is Taiwan High Speed Rail.This train is bound for Zouying」
となっているだけで、後は全て同じなのであった。

つづく