とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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アイスクリームの価格

2004年11月20日 16時55分54秒 | エトセトラ
その昔、アイスクリームやアイスキャンディーといった駄菓子は夏だけの食べ物だったような気がする。
上部が水平のガラス引き戸になっているアイスクリームの冷蔵庫は、冬場、ベニヤ板やダンボール、ブリキの蓋でカバーされていた記憶がある。
そのカバーの上にホコリがうっすらと積もっているのが冬の駄菓子屋の景色のひとつだったように思うのだ。
いつのころからか、このアイスクリームが通年のお菓子と化した。

かくいう私も仕事の合間に、会社から歩いて五十歩以内にあるコンビニエンスストアに出かけ、アイスクリームを買い求めて一息ついている。
喫煙の習慣のない私にとって、アイスクリームは気分転換を図ることができる麻薬性のあるお菓子というわけだ。

最近、このアイスクリームの価格が気になりだしている。
子供のころ、駄菓子屋で売っていたアイスクリームはひとつ数十円で、キャンディーやバーの類は一本十円だったような気がする。
ここ十年ほどの間は、バニラのカップがひとつ百円。バーが八十円くらいで落ち着いていた。

ところが、ついさっき会社の近くではないコンビニエンスストアに立ち寄り、アイスクリームを買おうとしたら、金額を見て驚いた。
ひとつ百円のアイスクリームは一種類しかなく、ほとんどが百五十円から二百円。なかにはアイスクリーム専門の有名ブランド品で四百円近くするものまで売られていたのだ。
当然、雪印や森永、グリコといった何十年も馴染んできたメーカーのものはほとんどなく、横文字のものが多く見られた。
さらに解せなかったのは、コンビニチェーンオリジナル・ブランドのアイスクリームの値段だ。
普通、お茶やソフトドリンクなど、コンビニオリジナル商品は通常品よりも安い。
ところがオリジナル・アイスクリームはひとつ百六十円もしていたのだった。
試しにひとつ買ってみて試食したところ、この夏お気に入りになったひとつ百五円の森永の商品には到底及ばない味付けであった。

カップのサイズが小さくなって、価格が上がり、高級感を出したパッケージデザインで客をだます。
今のガキどもは騙せても、コンビニが普及する前、十円玉や百円玉をしっかりと握り、駄菓子屋のお菓子を貪り食っていた、昭和四十年代前半以前の世代、つまりオヤジ世代のものには、そんな姑息な手段は通用しない。

当分、大きな数字が目印のその大手コンビニでは、アイスクリームやオリジナル弁当の類は買わないと誓ったのであった。