体の良い「レイオフ」なのかもわからない。
トヨタ自動車九州が800人の派遣社員の契約を解除した。
原因は北米地区の売上不振なのだという。
1970年代から日本の企業がアメリカに進出を始めた時に、テレビなどで取り上げられていたポジティブなポイントは「日本企業はレイオフしない」ということだったと記憶する。
レイオフするかわりに勤務時間を短縮したり、製造ラインを止めている間に、品質や製造に関わる勉強会や会議を開いたりする。
そういう現地の企業では見られなかった日本企業独特の「文化」が美しいものとして紹介されていたのだ。
時代は四半世紀流れた。
いつの間にか製造業の現場では派遣社員が大半を占めるようになり、その派遣社員を雇用したり解雇したりすることで会社の収益を「カイゼン」させることが当たり前になっていた。
今回のトヨタ九州による派遣社員の契約を解除は日本式のレイオフ。
但しアメリカのレイオフよりも酷いのは優先的な再雇用の保証が存在しないことだ。
「ちょっと不景気になってきましたら契約を解除しますね。明日から来なくていいですよ。派遣会社でどこか他に良いとこ探してくださいね」
というのが日本の派遣制度の真実だ。
派遣社員。
いわゆる日雇い労働者の問題が大きくなっている。
政府も法律を変えるのどうのと言っているが、どうも後手後手の感は否めない。
今回の例を見るように会社の利益を優先する(もちろんこれも会社としては当然ですが)あまり、何ら社会的に保証もない派遣社員によって会社の利益を調整されるような企業体質はいくら世界最大の自動車メーカーと言えど真当なのかどうか疑問とするところだ。
株主の利益を守るため、派遣社員の生活を犠牲にする。
資本主義経済の上では正論かもしれないが、どうもしっくりいかないのは何故なのだろう。
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