19日(日)。わが家に来てから今日で3232日目を迎え、プロスケーター・羽生結弦が17日夜に突然コメントを発表し、「生活空間においても、不審な車や人物に徘徊されることや、突然声をかけられることもあります。このような状況が続いていく可能性と、一時改善されたとしても再びこのような状況になってしまう可能性がある中、これからの未来を考えたとき、お相手に幸せであってほしい、制限のない幸せでいてほしいという思いから、離婚するという決断をいたしました」と近況と心境を綴った というニュースを見て感想を述べるモコタロです
羽生夫妻を不本意な離婚に追いやった奴らは ファンではなく不安の種だ 猛省すべし
昨日、東京芸術劇場コンサートホールで「東京芸術劇場 マエストロシリーズ 井上道義の”復活”」を聴きました プログラムはマーラー「交響曲第2番 ハ短調 ”復活”」です 演奏はソプラノ独唱=高橋絵理、メゾソプラノ独唱=林眞暎、管弦楽=読売日本交響楽団、合唱=新国立劇場合唱団、指揮=井上道義です
自席は2階E列23番、センター左ブロック左通路側席です 会場は9割以上入っていると思われます
オケは16型で 左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対抗配置をとります コンマスは長原幸太。舞台下手にはハープが2台スタンバイし、最終楽章で活躍するパイプオルガンはモダン面の顔を見せています
マーラー「交響曲第2番 ハ短調 ”復活”」はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1887年から94年にかけて作曲、1895年3月にベルリンで初演されました 第1楽章「アレグロ・マエストーソ:まじめで荘厳な表現で」、第2楽章「アンダンテ・モデラート:とてもゆったりと、急がずに」、第3楽章「スケルツォ:おだやかに流れる動きで」、第4楽章「原光:きわめて荘厳に しかし簡潔に」、第5楽章「スケルツォのテンポで」の5楽章から成ります
井上の指揮で第1楽章が低弦を中心とする激しい演奏で開始されます 読響の弦楽セクションの意欲を感じさせる演奏です 日橋辰朗率いるホルンセクションの重厚な演奏が光ります クラリネットがベルアップ奏法を見せました マーラーはこの楽章の後で5分間の休止を求めていますが、このタイミングで新国立劇場合唱団80名(女声42名、男声38名)がステージ後方にスタンバイし、ソリストの高橋と林がステージ下手の打楽器近くにスタンバイします 第2楽章は弦楽器を中心に穏やかな音楽が奏でられます 第3楽章は奇怪なワルツですが、クラリネットの中館壮志、オーボエの荒木奏美、ファゴットの井上俊次、フルートのフリスト・ドヴリノヴの演奏が冴えています また、柳瀬省太と鈴木康浩が率いるヴィオラセクションの演奏が素晴らしい 第3楽章が終わるや否や林眞暎のメゾソプラノが入ってきますが、このソロが素晴らしい また、彼女に寄り添うように奏でられる荒木奏美の抒情的なオーボエが感動的です 第5楽章の冒頭はオーケストラ総奏による激烈な音楽が繰り広げられます しばらくすると舞台裏からホルンによる「復活」のテーマが聴こえてきますが、2階下手のバルコニーのドアが開いていたので、その裏で演奏されていたのでしょう すると今度は舞台上で「復活」のファンファーレが鳴り響きます その後、舞台裏のバンダ(別働隊)によるシンバル、トライアングルを伴ったトランぺットの演奏が聴こえてきますが、舞台上の演奏とのバランスが絶妙でした すると、合唱が「よみがえる、そう、お前はよみがえるだろう」と歌い出します 合唱団は座ったまま静かに歌いますが、終盤には立ち上って歌うことになります 終盤になると、2階下手バルコニーにトランペット4人が登場し、1階のホルン(6人)に4人が加わり総勢10人に拡大します フィナーレは弦楽器、管楽器、打楽器、合唱、ソロ2人、オルガン総力を挙げての渾身の演奏で会場を揺るがしました
演奏全体を振り返ると、テンポは比較的ゆったりめでじっくりと聴かせ、不自然にテンポを動かすことなく自然の流れで演奏していたと思います
満場の拍手の中、カーテンコールが繰り返されます 井上は合唱指揮の三澤洋史とハグをして喜びを分かち合います そして、いつものようにその場で1回転ターンし、トリックスターぶりを発揮しました
井上道義は2014年4月から咽頭がん治療のため活動休止を告知しましたが、10月には復帰を果たしました 最近でも自作のオペラ初演後、尿管結石で2か月入院していますが、復帰を果たし、何とかこの日を迎えました その意味ではこの日の公演は「井上道義、復活」とでも言いたくなりますが、本人はこの日 配布のプログラム冊子の「公演によせて」の中で次のように書いています
「俺はまじめな話、もともと素人音楽家のなれの果てのヨレヨレじじいをこれ以上経験したくないので引退しますが、今回の復活は道義のことでないので皆さん誤解なさらないように 婚活、妊活、就活、終活、等とはわけが違う」
さすがは一筋縄ではいかない井上らしいコメントだと思います
思い起こせば、井上道義の指揮によるマーラーの交響曲との出会いは1999年秋から2000年にかけて開催された新日本フィルの「マーラー 交響曲連続演奏会」(全ライブ録音)でした 1999年9月30日に すみだトリフォニーホールで開かれた第1弾「交響曲第1番」の第1楽章の冒頭近くで、客席でケータイ着信音が鳴ったことから井上が指揮台から転げ落ちる芝居を打って演奏を中止し、再度やり直したことについては、これまで何度か当ブログでご紹介してきました あれから23年もの年月が経過したとは信じられない思いです
来年12月末をもって指揮活動からの引退を表明している井上の「復活」を聴くことは、もう二度とないだろうと思うと 寂しい思いを禁じ得ません